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【QAあり】Faber Company、SEOの第一人者・辻氏率いるSEOコンサル企業をM&A、市場における競争力強化へ

投稿:2025/02/21 13:00

INDEX

江連裕子氏(以下、江連):2025年9月期第1四半期の決算内容について、Faber Company代表取締役Founderの古澤暢央さんにお話をうかがいます。聞き手を担当する江連です。どうぞよろしくお願いします。

古澤暢央氏(以下、古澤):よろしくお願いします。

江連:本日のアジェンダです。まずは、事業内容についてお話をうかがっていきたいと思います。

事業概要

古澤:会社名はFaber Companyです。事業概要は、いわゆる企業のマーケティング部門の中でも、特にインターネットでホームページなどを活用して集客を行うデジタルマーケティングの部門の方にお使いいただくサービスを提供しています。

デジタルマーケティングの現場ではさまざまな課題が起きます。例えば、ホームページになかなかアクセスが集まらなかったり、あるいは集まったアクセスに対して、なかなか売上に転換しなかったりします。

そのような課題に対して、私どもはデジタルマーケティング自動化ツールとして、いわゆるソフトウェアを提供しています。

あわせて、人手や専門的な知識が足りないことも、この業界の課題です。デジタルマーケティングリソース(人手)と組み合わせて提供しています。

江連:まずはツールを導入して、先方の企業でそのツールを運用できる人がいない場合には、人もマッチングさせるのですね。

古澤:おっしゃるとおりです。業務委託のマッチングをしています。

江連:両輪ということですね。それでは、プロダクトのご紹介をお願いします。

ファーストパーティーデータを強化するコンテンツマーケティング・SEOの自動化ソフトウェア

古澤:代表的なプロダクトを3つご紹介します。1つ目は「ミエルカSEO」です。江連さんはSEOという言葉を聞いたことはありますか? 

江連:インターネットで検索結果の最初に表示されるようにすることですよね。やはり、上位の結果からクリックしてしまいます。

古澤:SEOは、Search Engine Optimizationという言葉の略です。日本では「Google」と「Yahoo! JAPAN」という2つの検索エンジンが主に使われていますが、その検索エンジン上で上位に表示させることが非常に重要な集客のキーになります。

検索エンジンは非常に進化しており、ホームページを上位に表示させるかどうかを、さまざまな指標で判断しています。

例えば、ユーザーが検索した時に、知りたいことがしっかりとわかるコンテンツが作られているかどうか、あるいはホームページの中をうまく回遊できるようなわかりやすいボタン配置になっているかどうか、必要な図や画像が掲載されているかどうかを、検索エンジンが総合的に判断します。

私どものソフトウェアは、お客さまのホームページをどのように改善したら、検索結果の上位に表示できるのかがわかるようなツールになっています。こちらを月額制でユーザーに使っていただいています。

ユーザー行動を可視化し、コンテンツの満足度を高めるUX改善ソフトウェア

古澤:2つ目は「ミエルカヒートマップ」です。こちらはホームページにおけるユーザー行動を可視化します。

例えば、私たちはスマートフォンで検索してホームページにアクセスした時、「これはあまり要らない情報だな」「ちょっと違うな」と感じた場合、どんどんスクロールしてゆきます。

反対に、興味を持った箇所では立ち止まり、画像やボタンをタップする、パソコンであればクリックします。このようなことをすべて、サーモグラフィのように可視化する技術があります。

江連:サーモグラフィは、体内の温度が高いところを赤く表示するものですよね。

古澤:おっしゃるとおり、よく閲覧されている箇所は真っ赤に表示されます。

これらのデータをホームページの担当者が見ることで、自社のホームページにおいて「見てほしい箇所がスルーされている」「ユーザーが早い段階で離脱している」ことを確認し、改善点を判断できるツールになっています。

江連:ユーザーが興味を持ってクリックする箇所は赤くなりますので、例えばその部分を手前に持ってくるといった改善を行うのですね。

古澤:そのとおりです。

約2,000名のデジタルマーケティング人材が登録する、即戦力マーケティング人材を企業に提供するサービス

古澤:3つ目は「ミエルカコネクト」です。私どもはこの業界で20年間仕事をしているため、私自身もそうですが、当社にはいわゆる専門職がたくさん所属しています。

例えば、一言でデジタルマーケティングと言っても、必要な仕事はたくさんあります。SEOはもちろん、コンバージョンの改善や、現在ではSNSの運用など、さまざまな専門知識が必要になります。

また、お客さまにもさまざまな業種があります。したがって、お客さまの業種で求めていることを実現するには「Aさん、Bさん、Cさんのスキルがマッチしていますよ」というかたちでレジュメを提供し、いざ会ってみようということなった場合には三者面談を行います。

私どもとお客さま、そして紹介候補者で三者面談し、この方でお願いしたいと決まった場合にはフィーが発生します。このように、人が足りない、今すぐ人手が欲しい時に対応できることから、世の中に必要とされるサービスになっています。

江連:クライアント企業側にデジタルマーケティングの担当者がいない場合は、御社にお願いすればよいのですね。

古澤:そのとおりです。あるいは、担当者がいても、人手の数が足りないケースもけっこう起きます。例えば、急な休職や退職もあります。退職してしまったから広告が運用できないとなると打撃になってしまうため、すぐに紹介してほしいという場合でも対応できるようにしています。

江連:なるほど。御社のツールを導入すれば最低限のサービスを受けられ、運用する人がいなければさらにプラスアルファでお願いできるわけですね。

続いて、御社のビジネスモデルについてお話をうかがいます。

当社のビジネスモデル

古澤:先ほど3つご紹介したように、当社にはさまざまなプロダクトがあります。

マーケティングの仕事では、戦略を練って、例えばデジタルマーケティングにはこのくらい、テレビCMにはこのくらいというかたちで、アロケーション(予算分配)をしていきます。そして、大手の広告代理店にコンペをしてもらい、「今年は何々さんにします」というかたちで成約するケースが多いのです。

一方、私どものサービスはそのようなかたちにはなっていません。現場で起きる課題、すなわち「どうしよう、人が辞めてしまった」「部長からアクセス数が売上につながっていないと怒られてしまった。困ったな」という時に、現場の方が対処方法を検索エンジンやSNS上で調べて私たちのサービスにたどり着きます。

私どものサービスは、非常に小さい取引からスタートして徐々に増やしていくこと、そして現場の方に使っていただいていることが特徴です。加えて、1社からたくさんのお金をいただくのではなく、細かく1,700社のお客さまに分散されていて、継続型の課金で安定的に売り上げていることが特徴です。

江連:1,700社とはかなり多いですね。

古澤:多いと思います。

江連:業種や業態もたくさんあるのでしょうか?

古澤:はい。特定の業種に偏っていることはありません。集客が必要な企業ならどこでも、私どものサービスを使う可能性があります。

ビジネスモデルの展開事例(抜粋)

江連:ビジネスモデルの展開事例について教えてください。

古澤:スライドの左側は、大手化粧品メーカーの事例です。最初の問い合わせは「たくさんのアクセスがあるが、ユーザーがホームページの中を理想的に回遊し、閲覧してくれているのかどうか気になる」「御社に何かできることないか」というものでした。

その際にまず、「ミエルカヒートマップ」をご提案しました。問い合わせから成約に至るまでの時間をリードタイムと言いますが、3ヶ月のリードタイムを経て、月額15万円の「ミエルカヒートマップ」がまず入ります。

その後、四半期ごとにフィードバック会を行います。そこへ先方の部長にご出席いただき、「この3ヶ月でこのような施策を行い、このような成果が上がりました」とご説明します。

さらに来年の予算についても対話し、当社では他にこのようなサービスがありますがお困りごとはありませんかとお尋ねします。そこで「それはいいね」となり、来年は引き続き「ミエルカヒートマップ」と、「ミエルカSEO」「ミエルカSEOコンサルティング」の3つを契約しようという話になります。

これをクロスセルと呼んでいますが、このように月額の課金を増やしていきます。

江連:クロスセルとは、次から次へと売れていくということですね。

古澤:はい。2つ目の商品、3つ目の商品と足し算していくイメージです。

江連:エントリーモデルが「ミエルカヒートマップ」だとした場合、ここで終わってしまうお客さまもいるかと思います。クロスセルにつながる割合はどれくらいでしょうか?

古澤:継続していただけるお客さまのほうが多いです。もちろん解約される場合もありますが、なぜ解約に至ったのかしっかりと要因を分析し、商品のブラッシュアップに活かしています。それにより、徐々に継続率を高めています。

江連:クロスセルがどんどん上がっているということは、「ミエルカヒートマップ」に満足いただいた結果、他のサービスの問い合わせにつながり、さらにご提案できているということですね。

古澤:おっしゃるとおりです。

業績推移及び成長戦略

江連:業績の推移についてうかがっていきたいと思います。

古澤:スライドの右側に4年CAGR(年平均成長率)を記載しています。直近の4年間はだいたい13.1パーセントの成長を遂げています。

当社の成長イメージは、派手さはないものの、積み上げ型の継続課金や1,700社のお客さまに売上が分散されていることで、大きな業績ダウンや大型解約による下方修正がほとんどなく、右肩上がりの成長を遂げていくことです。

今後の成長イメージ

江連:今後の成長イメージはどのようになっていますか?

古澤:まず、私どもは現在、大手・中堅企業にターゲティングをしています。やはり大手・中堅企業は年間の予算で動いているため、ある日突然に契約を辞めてしまうことはあまりありません。

このような背景から売上は徐々に積み上がっていきます。そこへさらにM&Aによるクロスセル、または新規事業をプラスしていくことが今後の成長イメージです。新規事業については後ほどご説明します。

江連:クライアントで言うと、大企業がどんどん増えているイメージでしょうか? 

古澤:そうですね、主に上場企業や売上100億円以上の企業をメインにターゲティングしています。

江連:やはり売上100億円以上の企業ともなると、SEO施策にも一定の予算を割ける余力があるのでしょうか? 

古澤:まさにそのとおりです。年間の予算で動くことに加えて、やはり事業機会が多くあります。例えば、事業部A、事業部B、事業部C、あるいは商品A、商品B、商品Cというかたちで、ポテンシャルがあります。したがって、取引の機会も増えていく可能性が高いです。

FY25/9 第1四半期 連結決算サマリー

江連:ここからは、第1四半期の決算概要についてうかがいます。まず、決算の内容について教えてください。

古澤:第1四半期の売上高累計は6億2,000万円で、前年同期比9.1パーセント増、通期目標に対する進捗率は24.3パーセントになりました。

営業利益累計は前年同期比31.5パーセント増で、偶然数字が一致していますが、通期目標に対する進捗率も31.5パーセントと、計画どおりに進んでいます。

第2四半期以降は投資を考えています。具体的には販促費や、今は採用を強化しているため採用費、そして新規事業への投資も増加していく予定ですが、通期の見通しに変更はありません。

連結業績概要

江連:連結業績の概要についてはいかがですか? 

古澤:スライドに棒グラフで示しているとおり、売上高、営業利益ともに四半期ごとで4分の1くらいに分けて成長していくことを企図しています。

KPI

江連:気になるKPIについてはどのようにお考えですか? 

古澤:こちらは非常に重要な話です。スライド左側の表をご覧ください。下から「3万円未満」「3〜30万円」「30万円以上」と、お客さまからいただく月額(正確には粗利)を分類し、表の左から右にかけて四半期が進捗していきます。

一番上の合計に着目して、お客さまの数が増えていないのではないかとよく言われます。しかし、これを細かく下の分類で見ると、「3万円未満」のお客さまが少しずつ剥落しています。

代わりに、やはり大手・中堅企業に対する営業の厚みを増やしているため、「3〜30万円」と「30万円以上」のお客さまの数が増えています。「3〜30万円」と「30万円以上」のお客さまの数が、順調に増えていくことが非常に重要です。

また、スライド右側には、細かいのですが折れ線グラフを2つ記載しています。赤色の折れ線グラフは「営業チーム 新規決裁者商談割合」です。これが何を表しているかと言うと、営業の決裁者、つまりは部長か役員が商談の場に来ていただける割合を示しており、2024年9月期の第1四半期を1と指数化した場合の推移を表しています。

江連:権限がある方ですね。

古澤:そのとおりです。営業の商談数を表しているのではなく、部長や役員にご出席いただける割合になります。

黄色の折れ線グラフは「CSチーム 既存顧客面談割合」です。こちらも同じく、契約後にお客さまのお世話をさせていただくCSチームが、お客さまと面談する際に部長に来ていただける割合を示しています。

グラフはちょうど高止まりしていますが、現在の人数において最大値まで到達したことになるため、今後は営業とCSのヘッドカウント(人数)を増やしていくことによって、接点総数を増やしていこうとしています。

このように、KPIは比較的順調に進んでいます。

江連:CSチームには、どのような役割があるのですか? 

古澤:例えば、先ほどの「ミエルカSEO」を江連さんに買っていただいた場合に、「後はマニュアルを見て対応してください」などというのは大変失礼です。

そのため、「江連さんの場合はこの機能からスタートしましょう」「この機能は使わなくてもよいかもしれません」などとご提案したり、お客さまの社内で勉強会を開いたりといったことをするチームです。つまり、円滑にツールを使いこなすためのお世話係です。

江連:まさにカスタマーサクセス、カスタマーサポートなのですね。お話をうかがっていると、トライアンドエラーと言いますか、PDCAを回すと言いますか、何かを試して駄目だったら改善して、さらに上を目指していく企業風土なのですね。

古澤:そうですね。私どもはその一点でがんばっています。

FY23/9からの取組の結果について クロスセル戦略

江連:クロスセル戦略についても教えてください。

古澤:先ほど表でお見せしたものを、スライド左側では別の視点で棒グラフにしています。月額で頂戴する金額が「3万円未満」のお客さまは減っていますが、「3〜30万円」と「30万円以上」のお客さまは少し増えています。

右側の棒グラフは、粗利益の総額を示しています。一番下の灰色が「3万円未満」のお客さまで、粗利益の総額としては減っています。一方で、その上の黄色の「3〜30万円」と、ピンク色の「30万円以上」の総額は増えています。

今、私どもが行っている大手・中堅企業に対する集中は、一定の功を奏していると言えます。この背景には、2つ目、3つ目の商品のクロスセルや、「もっとリッチなプランがありますよ」というアップグレードの提案が功を奏しています。

江連:なるほど。総数にこだわらず、きちんとターゲットを決めて、そこに集中しているのですね。

古澤:そのとおりです。

費用構造

江連:費用構造について教えてください。 

古澤:スライドのグラフのとおり、進行中の2025年9月期に向けた先行投資を増やしたため、昨期の第4四半期は費用が一時的に大きく増えています。

今終わった2025年9月期第1四半期は再び巡航速度に戻り、通常の予定どおりの費用構造になっています。特に大きなトラブルや一時的な出費が原因ではありません。

江連:特殊要因だったのですね。

古澤:おっしゃるとおりです。

FY25/9の取り組み①:営業活動の組織化(FY24/9から継続)

江連:営業活動はどのようになっていますか?

古澤:2025年9月期の取り組みについて4つお話しします。1つ目の営業の強化は特に、昨期から引き続き強化している部分です。

やはりお客さまに付加価値の高い提案をすることが非常に大事になるため、提案力を強化しています。具体的には、お客さまの状況を分析して、お客さまに最適な商品の組み合わせを提案することですが、これはなかなか難しく、スキルが必要になります。

そのため、上長と若手メンバーでロールプレイングしたり、勉強会を行ったりすることによって、提案力を日々強化しています。

FY25/9の取り組み②:CARTA HDとの資本業務提携(FY24/9から継続)

江連:2つ目に、資本業務提携も行っていますね。

古澤:当社が上場した時に、電通グループのCARTA HOLDINGSから資本を入れていただきました。

CARTA HOLDINGSは非常に大きなお客さまを持っており、私どもでは門戸を開くことが難しいお客さまともつながることができます。CARTA HOLDINGSが提供していないような、競合しないサービスがあるため、CARTA HOLDINGSの営業現場に同行し、ご提案しています。

私どもがアクセスしにくいお客さまにも営業することができますし、その反対に、私どものお客さまと商売する機会をCARTA HOLDINGSに提供することもできます。お互いがそのような関係にあります。

江連:電通グループとなると、クライアントの規模や質が変わってきそうですね。

古澤:そうですね。小さい頃からテレビCMで観ているような有名な企業もたくさんいます。そのようなお客さまにご提案できることは非常に誇りです。

江連:提携してまだ半年ですので、今後いわゆる成功事例を積み上げていくと、可能性が広がっていくと見てよいのでしょうか?

古澤:はい。すでに半年で数件の受注も決まっており、これから成功事例を増やしていこうという段階です。

FY25/9の取り組み③: AIと人力のハイブリッドによる開発(FY24/9から継続)

江連:3つ目に、世の中ではAIブームと言われていますが、御社ではどのような取り組みを行っていますか?

古澤:ツールの機能において自動化していくことは、今の世の中の流れとしては必須になります。

お客さまも限られた時間の中で仕事をしなければならないため、考えたり手を動かしたりする時間はできるだけ減らす必要があります。そのため、私どもはAIの活用に一生懸命取り組んで開発しています。

一方で、マーケティングにおいては、やはり戦略を立てるところが非常に重要です。例えば、どのようなお客さまに、どのような商品を、どのような切り口で訴求するのかなどについては、人間が考えなければいけない部分がまだたくさんあります。

私どもの会社には、「この道20年」という人材が多くいます。そのような人材に直接質問できる「人力」の部分を私は重視しており、AIと人力のハイブリッドでお客さまの課題を解決することを、私どものコンセプトの1つとして持っています。

江連:プロの方に直接質問することも可能ですか? 

古澤:まさにそれができる機能が、スライドの右側に記載しているものです。質問というボタンを押すと、インターネット上で質問ができます。

江連:最近、チャットボットで回答が自動で来る機能がありますが、そのようなイメージでしょうか? 

古澤:そのようなイメージです。

江連:プロの方に質問したQ&Aが積み重なると、AIがさらに学習していくのでしょうか?

古澤:そのとおりです。それがまた新たな機能になり、いろいろな自動化がさらに進んでいきます。学習するデータが増えていくことは、とても重要になります。

FY25/9の取り組み④:DXミエルカ

江連:4つ目の取り組みとして、御社の強み、そして新規事業についても教えてください。

古澤:当社はもう20年間、デジタルマーケティングの仕事をしてきました。デジタルマーケティングの技を売っているわけですから、当然ながら自分たちがデジタルマーケティングを得意としていなければなりません。

スライドにオンライン集客と記載していますが、私ども自身もホームページやインターネットを使ってリード(問い合わせ)を獲得することを、20年間磨いてきました。

後ほどご説明しますが、私どもは展示会や情報発信を中心としたセミナーなどを非常に得意とする会社です。この強みを、私どもが在籍するマーケティング業界ではないところにも当てはめてみて、大きく収益を上げていく試みを、この1年間は行っていきます。

現在開示している業績予想の中では予算化していませんが、今年1年間は、テストマーケティングを行っているところです。

事業内容として「DXミエルカ」と記載しています。DXとは、要するにIT化とお考えください。

例えば、未だに物理タイムカードを使っていたり、紙とペンで仕事をしていたり、「Excel」を使って複雑な計算をしていたりする会社はまだたくさんあります。こちらのビジネスでは、この部分のIT化を手伝っています。

テレビCMでよく観るような、スライド右側に列挙している経費精算システムなどを、私どもがお客さまに代わってご提案していきます。したがって、「ほけんの窓口」のようなイメージです。

江連:なるほど。

古澤:このようなシステムを、専門用語でSaaS(Software as a Service)と言います。私どもはお客さまに成り代わって、ユーザーの業種や規模に基づいて、最適な経費精算あるいは勤怠管理システムをご提案し、販売代理を行っています。

この事業を今立ち上げていますが、比較的順調に進んでいます。

江連:企業では、導入するサービスやソフトウェアがとても多くなり、例えば領収書の整理にはこのアプリを入れたが、数年後にはまた変えるケースもかなりあります。

古澤:ありますね。

江連:それはやはり、自社の社員数や事業内容に対して、適切なものが選べなかったということですよね。それを見抜けるわけでしょうか?

古澤:そのとおりです。

江連:これは便利ですよね。

古澤:今、世の中で非常に求められているサービスだと考えています。

江連:そして、新サービスが他にもあるそうですね。

新サービス:ミエルカアナリティクス&ページカエタロウ

古澤:新サービスを2つご紹介します。

1つ目に、「ミエルカアナリティクス」をリリースしました。これまで私どものツールで、ホームページに訪れる人の数を増やすこと、訪れた人から1件でも多く購入に結びつける(コンバージョンを上げる)ことを行ってきました。

これらが別々のツールとして存在していたため、お客さまは2つの画面を開いて交互に見なければなりませんでした。

それではお客さまの工数がかかり過ぎますので、1つの画面の中でPDCAを回す、つまり、計画して、アクションして、要因を探り、また次の施策を仮説することができるようになりました。これにより、お客さまにとって、非常に便利で楽になりました。

2つ目に、「ページカエタロウ」という愛らしい名前のサービスをリリースしました。例えば、江連さんもホームページを作ることや、改善することは非常に難しいと思います。

江連:意外と難しいです。思ったとおりに簡単にできるものではないですよね。

古澤:通常の企業であれば、エンジニアとデザイナーに発注しなければなりません。「このページのここを変えてほしいのですが、どうですか?」と聞くと、「いや、ちょっと今忙しいから無理だよ」などと言われてしまうこともあります。

その時に、マーケティング部門の方がエンジニアやデザイナーに頼ることなく、難しいソースコードを書かなくても、ホームページの文言やボタンの色、新しいページを追加できるといった機能です。

こちらはリリース後、問い合わせも非常に多く、順調です。これから世の中に求められる機能だと確信しています。

江連:お知らせが多い会社や新商品の発表が頻繁にある会社では、このような機能はありがたいですよね。

FY24/9通期業績結果とFY25/9業績予想

江連:ここからは、業績の見通しと財務戦略についてうかがいます。

古澤:2025年9月期の業績予想は、前回の発表から変わっていません。売上高は25億5,400万円です。営業利益が非常に大事だと思っていますが、3億7,600万円と予想しています。

スライドの表の右側にYonYと記載していますが、昨年との比較(Year on Year)という意味です。営業利益は12.4パーセント増を見込んでいます。

FY25/9の計画

江連:計画についてはいかがですか?

古澤:2025年9月期の計画も順調に進んでいます。特に変更等はなく、スライドに示しているとおりです。

FY25/9 四半期業績進捗と見通し

江連:足元の四半期業績の進捗と今後の見通しについてはいかがですか?

古澤:前回の発表の時に「第1四半期は昨年に比べて売上が少し増えますが、利益は減るかもしれません」とお話ししました。しかし、現場の努力とさまざまな要因により、下がることなく進捗したのは喜ばしいことです。

少しでも余力があれば、新規事業に対する先行投資を行いたいと考えています。したがって、通期においては売上高も営業利益も発表しているとおりの予想値に収まるだろうと考えています。

財務戦略と還元方針

江連:財務戦略についてもうかがっていきます。投資家の方もご覧なっているかと思いますので、気になる還元についても教えてください。

古澤:前回発表したとおり、配当性向20パーセントを基軸とし、成長投資をしっかり行って、配当も実施することを考えています。

弊社は、定常資金としては月商2ヶ月分に当たる5億円程度を保有していれば十分だと考えています。キャッシュリッチな面もありますので、20億円超の資金をM&Aおよび成長投資に積極的に振り向けていきたいと思います。

したがって、しっかりと成長しつつ、株主のみなさまに配当できるという2点を両立することを目指していきます。

FY25/9 株主還元

江連:内部留保がかなり潤沢にありますので、投資家の方は「もっと配当を」と願う方も多いかもしれません。

古澤:期待に応えられるようにがんばりたいと思っています。今回、記念配当も合わせると、実態としては配当性向30パーセントを超える見込みです。

「記念配当はその次の期はなくなるでしょう?」というご質問をよくいただきます。今お約束することはできませんが、実質減配にならないように、翌期も翌々期もしっかりとがんばっていきたいと考えています。

江連:M&Aにももちろん投資しますが、配当もきちんと考えていくのですね。

古澤:そのとおりです。

SEOコンサルティング事業を展開する株式会社so.laの全株式を取得

江連:先日、M&Aを発表されましたが、この内容について教えてください。

古澤:株式会社so.laという会社をM&Aしました。上場後初めてのM&Aでもあるため、まずは規模等にこだわることなく、小さな範囲でしっかりと実績を作っていき、少しずつ大きくしていくという意味では、非常にベストなタイミング、かつベストなサイズだと考えています。

5年程度でしっかりと回収できる算段で買収しました。

事業概要及び株式会社so.la 代表取締役 辻正浩氏の略歴

古澤:ポイントは、やはり株式会社so.laの代表取締役である辻正浩氏が、この業界において非常に重要なポジションにいることです。

なかなか専門的なお話ですので、投資家のみなさまにご理解いただくのは大変難しいかもしれませんが、どのような人物なのかをお話しします。デジタルマーケティングやSEOの業界で仕事をしている人の中で、知らない人はいません。

江連:そうなのですね。

古澤:非常にレベルの高いお仕事をしていることに加え、情報発信力が非常に高く、影響力があります。したがって、この方と組むことにより、私どもの提案力やコンサルテーションの実装力がレベルアップしていくだろうと考えています。

また、辻氏は非常に強い信念・理念を持っています。それは「日本のインターネットを良くする」ということです。例えば、報道機関のWebサイトなど、「社会に欠かせないWebサイトを守る」という信念を持っています。思想が私どもと非常にマッチしたところもあり、辻氏と組むことになりました。

偶然ですが、辻氏は私と同じ札幌市の出身です。学年も1個下と、ほぼ同じ世代です。15年来の知人でしたので、「彼と一緒にこの業界を良くしていこう。そしてFaber Companyを伸ばしていこう」と考え、手を組みました。

メディア実績

古澤:メディア実績として、スライドに2つのニュースをご紹介しています。辻氏は、NHKや日本経済新聞に専門家として呼ばれてコメントすることが非常に多く、「SEOの第一人者」として広く認知されています。

本M&Aにおける当社の狙い「市場における競争力の強化」

江連:御社にはすでに著名な方がいますが、さらにグループインしていただいたわけですね。

古澤:そのとおりです。「3枚看板」になりましたので、これまで以上に情報を発信していき、提案力を強化していきます。提案力を強化すると、1社のお客さまからいただける、将来も含む利益の総額を示すLTV(Life Time Value:ライフタイムバリュー)は伸びていく傾向にあります。

付加価値の高い仕事を提供すると、それだけ単価も上がり、契約する月数も上がっていく傾向にありますので、今回しっかりとかたちにしていきたいと考えています。

質疑応答:獲得案件の比率について

江連:「獲得案件の比率について、インバウンドとアウトバウンドのどちらが多いですか?」というご質問です。

古澤:インバウンドは海外からのお客さまという意味として認識されていますが、私どもの業界では、お客さま側からファーストアクションが来ること、つまりお客さまが問い合わせを能動的に行うことをインバウンドと言います。

アウトバウンドはその逆です。私どもから「お客さま、何かお困りではありませんか?」と呼びかけることをアウトバウンドと言います。

当社はインバウンドが非常に多いです。20年間この業界で技を磨いてきましたので、「何か情報を調べると『ミエルカ』が出てくるよね」「何か情報を調べるとFaber Companyがいつも出てくるね」という状態にしています。

江連:さすがSEOの会社ですね。

古澤:そうなのです。したがって、インバウンドの数が圧倒的に多くなっています。

質疑応答:マーケティング投資の目的について

江連:「マーケティング投資について、差し支えない範囲で目的や具体的な内容をご教示ください」というご質問です。

古澤:「マーケティング投資を増やす」と常々お話ししてきました。その目的は、私どもがお客さまを獲得するに当たり、広告も非常に重要な手段だからです。

広告の技も磨いていますので、費用対効果を見ながら広告投資も増やしていくことにより、より多くのお客さまに気づいていただくことが非常に重要であると考えています。

質疑応答:契約社数について

江連:「契約社数の横ばい傾向は今後も続きますか?」というご質問です。

古澤:現在、大手・中堅企業向けの営業を強化しています。月額でいただく粗利が3万円から30万円のお客さまと、30万円以上のお客さまをより増やしていくべく、努力しています。

現在、お客さまの数は約1,700社です。減少傾向は止まりましたので、ここからおそらく上がっていくと思います。今後は特に高額帯のお客さまを中心に客数が増えていくと考えています。

市場における競争力① リード獲得力 -SEO-

江連:ここからは、Appendix(会社説明)についてうかがいます。競争優位性はどのようなところにあるのでしょうか?

古澤:弊社は「リード獲得力」が強みの1つだと考えています。お客さまから引き合いや問い合わせをいただくことをリード獲得と言いますが、この強みの源泉は3つあります。

1つ目は、SEOです。SEOの技を売っている会社ですので、当然ですが私どもはSEOが得意です。私どものお客さまになりうるさまざまな検索キーワードで上位表示を実現しています。SEOが同業他社よりも強いのです。

それから、お客さまが弊社のホームページにアクセスした際に、成功事例を見られることが必要です。同業他社に比べると、私どもは公開している成功事例数が圧倒的に多くあります。

江連:150社も記事があるのですか?

古澤:そのとおりです。これは、いわゆるインタビュー形式の記事の数を指しています。競合をウォッチしていると、多くても30社、40社程度かと思います。

私どもは、150社からさらに増やしているところです。その理由として、お客さまはやはり自身と同じ業種・業界に興味があります。不動産会社であれば不動産会社の成功事例を見たいと思いますし、イメージが湧きやすくなりますので、さまざまな業種の成功事例を集めることが非常に重要です。

それが後押しとなり、問い合わせにつながっていくことがわかっていますので、こちらを強化しています。

江連:150社も協力していただけているのは、それだけサービス内容に満足しているからでしょうか?

古澤:おっしゃるとおりです。やはりお客さまの成功にコミットすることが重要です。そうでないと成功事例になりません。

江連:記事を読んで御社に問い合わせて、「このような他社が使っているサービスを、うちも使いたい」となるのですね。

古澤:そのとおりです。

ファインダビリティ・スコア

江連:スライドのグラフは、どのように読み解けばよいのでしょうか?

古澤:こちらは非常に専門的なものですので、みなさまが熟知する必要はありません。ファインダビリティ・スコアと呼んでいますが、「見つかりやすさの指標」と私はよくご説明しています。

江連:find(発見する)ということですね。

古澤:そのとおりです。私どものお客さまは、「SEO」「ヒートマップ」「アクセス解析」などのキーワードで検索します。この時に、私どものホームページは常に1位、2位、3位など上位を獲得している状態にあります。これをスコア化したものをグラフで示しています。

一番上の水色のグラフで示している「mieru-ca.com」が私どものホームページです。つまり、競合他社に比べて私どもは強い状態にありますが、さらにそれを日進月歩させています。

江連:非常に差が出てきていますね。

古澤:おっしゃるとおりです。私どもの予測では、今計算できる範囲でこれをさらに2倍程度にできることがわかっています。ですので、毎日絶えず進歩させているところです。

市場における競争力① リード獲得力 -展示会-

江連:競争力の面ではどのような努力を行っていますか?

古澤:スライドに、展示会について記載しています。先ほどまではインターネットのマーケティングの話をずっとしてきましたが、東京ビッグサイトや幕張メッセなどでさまざまな見本市が開かれています。

3日間ほど開催されますが、ここでお客さまからどれだけ名刺を獲得できるかが非常に重要な指標になっています。200社、300社が出展する中で、いつも私どもは圧倒的に1位です。これは実は、雰囲気の醸成に加え、タイムマネジメントにも非常に重要なノウハウがあります。

私どもがこれまで10年以上科学してきた結果ですので、同業他社が同じ展示会に出て同じように活動したとしても、私どもはその8分の1程度のコストで1名刺を獲得できるところまでオペレーショナル・エクセレンスで効率化されています。

江連:私も展示会に行ったことがありますが、ブースの数が多く、どこに入ってよいかもわからないくらいでした。そこで競争力を高めるにはどうしたらよいのでしょうか?

古澤:これは非常におもしろい話で、例えば路上で居酒屋やいろいろなお店からキャッチを受けることがあると思います。だいたい共通していますが、やはりにこやかです。

江連:印象がにこやかですね。

古澤:おっしゃるとおり、印象が爽やかでにこやかで、目線が合います。そこで今自分が気にしているキーワードを言われることが、非常に大事です。

また、私はもう50歳ですが、若い人ががんばっていると応援したくなるところも非常に重要です。このあたりでいくつかノウハウがあります。

市場における競争力① リード獲得力 -情報発信-

江連:情報発信についてはいかがでしょうか?

古澤:私どもは、これまで海外のイベントに80回以上参加しています。それは、この業界の重要な人たちが集まるカンファレンスが世界中で開催されるからです。

こちらに足しげく通い、世界中のエキスパートとつながって、世界中のプラットフォーマー、例えばFacebook(現Meta)社、Google社などの要人と意見を交換します。

その情報を日本に持ち帰り、YouTubeチャンネルや「X」でイベントを開催して、情報発信を行います。

江連:無料で提供しているのですね。

古澤:無料です。この活動は、競合他社は行っておらず、非常に重要です。私どものSNSをウォッチしている人、フォローしている人は、デジタルマーケティングの仕事に従事している人ですので、お客さまになりうる可能性があります。

その方たちが私どもの情報に繰り返し接点を持っているため、「何か頼もう」と思った時には、もはや疑う相手ではない状態になっています。「よく『YouTube』で見ているあの人が来た」というかたちになりますので、実は非常に重要な取り組みです。

江連:返報性と言いますか、「これだけいろいろ教えていただいているなら、ツールを買おうか」ということもありますよね。

古澤:そのとおりです。

市場における競争力② プロダクト力

江連:プロダクト力についてはいかがでしょうか?

古澤:私どもはさまざまな賞を受賞しています。マーケティングのツールを評価する権威あるWebサイトと言いますか、機関があり、こちらで毎年非常に高い評価を得て、賞を受賞しています。

それでいて、安いことが挙げられます。例えば、月9,800円という一番安価なエントリーモデルもありますし、無料から始められるものもありますので、やはり導入の障壁が低いです。

課長がわざわざ役員のところに行って厚い稟議書を書く必要はなく、現場の課長が印鑑を押すことができます。課長が決められる金額に設定していることが、最初の入口に入ってもらう時に非常に重要です。

例えば大手のコンサルティング会社では、月80万円から100万円ほどのチャージフィーがかかります。私どもは1万円前後からスタートできることが、非常に重要なポイントとなっています。

市場における競争力② プロダクト力

江連:安価でできる理由は、どのようなところにあるのでしょうか?

古澤:私どもは10年以上前からベトナムのホーチミン市にオフィスを構え、現地のベトナム人のエンジニアを25人ほど抱えています。

やはり日本に比べるとコストが安く、東京の高い土地で東京の大学を出た方に開発してもらうと、ものすごく高いコストになります。したがって、このコストメリットを活かしています。

また、10年にわたって大学との共同研究を行っています。例えば昨今では、生成AIが日本に急激に入ってきました。このような技術を速やかに私どものツール機能に活かすことに関して、技術障壁の高い問題を解決するのに共同研究が非常に役に立っています。

これらにより、安くて良い機能が作れます。

リード獲得力×プロダクト力による展開

江連:リード獲得力およびプロダクト力による展開について教えてください。

古澤:スライドに1枚の図にまとめていますので、左から右に向かってご覧ください。お客さまは現場でピンポイントな課題を抱えています。

その中で、私どもはさまざまな手法を用いてお客さまとの接点を持っています。検索やYouTubeチャンネル、展示会、セミナー、さまざまなメディアなどでお客さまとタッチポイントを作り、現場で導入しやすい金額のプロダクトを用意していますので、「まずちょっと使ってみようか」と、お取引が始まります。

その後、お客さまの成果が上がった時が1つのチャンスです。先方の部長に「実はこういうことも解決できます」「こういうことでお困りではありませんか?」としっかりとプレゼンします。このように、アップセル・クロスセルで2つ目の商材、3つ目の商材を買っていただくことが私どもの戦略であり、強みです。

この日の感動は今も忘れられません(創業の経緯)

江連:今期は創業20期の記念配当を予定していますが、古澤社長も起業して20年かと思います。振り返っていかがでしょうか?

古澤:おじさんベンチャーと言いますか、もう50歳になってしまいましたので、ベンチャー企業とは言い難いところはありますが、この会社の最初の売上は1,600円でした。

当時、2005年頃は、ちょうど「『Google』というものがあるらしいぞ」という時代でした。スマートフォンはありませんので、「パソコンで検索すると、けっこう良い情報が出てくるぞ」「『Yahoo!』とはまたちょっと違うぞ」という時代の流れがありました。

江連:まだ、ピーヒャララとFAXの音が鳴っていた時代ですね。

古澤:そうですね。その時に私は「検索は世の中を変えうる」と思いました。「なぜ検索するのか?」を考えると、それは何かを比べたい、悩みを解消したい、何か調べたい時です。

しかし、それまでは図書館に行くか、電話帳を開くしかありませんでした。「検索が世の中を非常に便利にしてくれるだろう」と、私は個人的に思っていました。

ですので、最初にクレジットカードを比較するブログを書きました。例えば、ジャスコ(現イオン)で買い物をする頻度が高い人は、ジャスコのカードを使ったほうがポイントが貯まります。車が好きな人は、やはりガソリンスタンドのガソリンが安くなるクレジットカードを使うほうがよいですよね。

きっと人々はそのような検索をするだろうと考えました。例えば「クレジットカード ガソリン お得」と検索するだろうと予測してブログを書いていった時に、やはり検索エンジンから人が大勢流れ込んできました。

そこにアフィリエイト広告としてクレジットカードのバナーを貼り、私のホームページを見た人がクレジットカードを申し込むと、私に報酬が入ります。これがこの会社の最初の売上である1,600円です。1,600円は非常に小さな金額ですが、大きな一歩であったと今でも思い出します。

2005年 Faber Company創業

古澤:当時、私は乳飲み子を抱えていました。千葉県の端の木造アパートでこの仕事に熱中し、楽しくて楽しくて仕方がなく、1日3時間、4時間くらいの睡眠以外はずっとデジタルマーケティングを行ってきました。

好きで始めた仕事でしたが、最初は1,600円です。それが今、まだまだ小さな会社ですが、多くの株主のみなさまに投資していただく段階まで来ました。

常に初めの一歩は小さいです。しかし、価値がどんどん大きくなることをこれまで体験してきました。この写真を見ると非常に懐かしいですが、これからも初心を忘れずにがんばっていきたいと常に思っています。

江連:まさにパイオニアといった感じがしますね。

古澤:ありがとうございます。

古澤氏からのご挨拶

古澤:本日はお忙しい中、お時間を割いていただき誠にありがとうございます。弊社は初めの一歩は本当に小さなものでした。これから行う新規事業も初めの一歩は小さいと思いますが、これを大きくしていこうという志を持っていますので、社員一丸となってがんばって進めていきたいと思います。

また、今年は初配を出せる計画となり、さまざまなお客さまにも感謝しています。これからぜひ、Faber Companyの成長に投資していただければと思います。私も責任を持って経営にコミットし、配当を増やしていけるようにがんばります。どうぞよろしくお願いします。

配信元: ログミーファイナンス

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