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クシムのニュース
*09:35JST 「事実無根の拡散にNO」---クシムが名誉毀損で提訴される
投資・コンサルティング事業を展開する株式会社High Voltage Capital(HVC)が、クシム<2345>代表取締役の田原弘貴氏と同社を相手取り、名誉毀損に基づく損害賠償を求めて提訴したことが分かった。
発端は、2024年12月に田原氏が公開したブログ記事と、その後2025年4月に配信された動画、さらに田原氏の見解を一方的に反映したダイヤモンドオンラインの記事にある。これらはいずれも、HVCが属するシークエッジグループの白井氏について、あたかも不正が既成事実であるかのような印象を与える内容だった。
HVCはこれらの発信を「事実無根または誤解を誘発する断定」と指摘。特に、動画内で「社内調査委員会の設置」を掲げ、複数の論点を“調査対象”として列挙した行為について、「裏付けのない段階で不正の印象を広め、企業信用を毀損する危険性が高い」と主張している。
訴状によれば、この発信が原因で、HVCは医療・介護関連大手との協業交渉が停滞・見直しを余儀なくされるなど、具体的な事業機会の損失を被った。HVCは田原氏に1億1,097万円、クシムに100万円と法定利率年3%の遅延損害金を請求している。
裁判では、被告側の発信に真実性や真実相当性があったか、また発信の方法が相当だったかが焦点となる見込みだ。HVC側は特に、(1)検証が不十分な段階で断定調表現を多用した点、(2) “調査中”としながら実質的に不正の印象を流布した点、(3)結果として具体的な取引停滞を招いた点、の三つを主要争点としている。
今回の問題は、裏付けのない「疑惑の列挙」が、既に不正が存在するかのように受け取られる形で繰り返され、反論や訂正の余地を与えないままSNSや動画を通じて拡散されるという構図にある。強力な可視化手段であるこれらの媒体は、一方で未検証の断定が“事実”として瞬時に広がる危険もはらむ。
さらに深刻なのは、この情報発信が企業の経営権争いの手段として使われていた可能性だ。田原氏は倉元製作所<5216>社長の渡邉敏行氏と組み、クシムに対し株主提案を行った。その理由として「クシムがシークエッジグループの利益を優先し、企業価値や株主利益を毀損している」と主張している。そして経営権争いの最中に、前述の“不正を既成事実化する”ような発信が行われ、結果的に田原氏らはクシムの経営権奪取に成功している。
類似事例もある。2022年に三ッ星<5820>(5820)で起きた経営権争いでは、買収者グループが違法な「ウルフパック」的手法として問題視された。証券取引等監視委員会(SESC)からは課徴金処分を受けている。しかし処分は乗っ取り成立から2年後で、結果的に買収者側は比較的軽い課徴金で経営権を手中に収めている。三ッ星事件で買収者側に法的助言を行ったのがOMM法律事務所であり、田原氏の代理人も同事務所である。
<NH>
発端は、2024年12月に田原氏が公開したブログ記事と、その後2025年4月に配信された動画、さらに田原氏の見解を一方的に反映したダイヤモンドオンラインの記事にある。これらはいずれも、HVCが属するシークエッジグループの白井氏について、あたかも不正が既成事実であるかのような印象を与える内容だった。
HVCはこれらの発信を「事実無根または誤解を誘発する断定」と指摘。特に、動画内で「社内調査委員会の設置」を掲げ、複数の論点を“調査対象”として列挙した行為について、「裏付けのない段階で不正の印象を広め、企業信用を毀損する危険性が高い」と主張している。
訴状によれば、この発信が原因で、HVCは医療・介護関連大手との協業交渉が停滞・見直しを余儀なくされるなど、具体的な事業機会の損失を被った。HVCは田原氏に1億1,097万円、クシムに100万円と法定利率年3%の遅延損害金を請求している。
裁判では、被告側の発信に真実性や真実相当性があったか、また発信の方法が相当だったかが焦点となる見込みだ。HVC側は特に、(1)検証が不十分な段階で断定調表現を多用した点、(2) “調査中”としながら実質的に不正の印象を流布した点、(3)結果として具体的な取引停滞を招いた点、の三つを主要争点としている。
今回の問題は、裏付けのない「疑惑の列挙」が、既に不正が存在するかのように受け取られる形で繰り返され、反論や訂正の余地を与えないままSNSや動画を通じて拡散されるという構図にある。強力な可視化手段であるこれらの媒体は、一方で未検証の断定が“事実”として瞬時に広がる危険もはらむ。
さらに深刻なのは、この情報発信が企業の経営権争いの手段として使われていた可能性だ。田原氏は倉元製作所<5216>社長の渡邉敏行氏と組み、クシムに対し株主提案を行った。その理由として「クシムがシークエッジグループの利益を優先し、企業価値や株主利益を毀損している」と主張している。そして経営権争いの最中に、前述の“不正を既成事実化する”ような発信が行われ、結果的に田原氏らはクシムの経営権奪取に成功している。
類似事例もある。2022年に三ッ星<5820>(5820)で起きた経営権争いでは、買収者グループが違法な「ウルフパック」的手法として問題視された。証券取引等監視委員会(SESC)からは課徴金処分を受けている。しかし処分は乗っ取り成立から2年後で、結果的に買収者側は比較的軽い課徴金で経営権を手中に収めている。三ッ星事件で買収者側に法的助言を行ったのがOMM法律事務所であり、田原氏の代理人も同事務所である。
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