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SHIFTのニュース
*13:04JST ポールHD Research Memo(4):ゲームデバッグを起点に全方位サービスへ事業拡大を実現
■ポールトゥウィンホールディングス<3657>の会社概要
3. 同社の強み
ゲームデバッグを中心に実績を上げ、ゲーム業界に対する深い知見を蓄積してきた同社は、以下のような強みを有している。
1) デバッグ・検証のリーディングカンパニー、ネットサポートでの実績
ゲーム分野では、日本初のデバッグ専業事業者として6,000以上の家庭用ゲームソフト、10,000以上のモバイルコンテンツに関与してきた実績を有しているほか、国内で3千人超、海外で2千人超と大規模なテスターのネットワークを構築しており、デバッグのリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにしている。また、Eコマース分野においては、20年以上にわたる大手ネットサービスの監視、審査実績により不正対策の知見を蓄積している。
2) ゲーム業界への深い知見
ゲーム業界との強固な取引関係を生かし、ゲーム共同開発やチューニングなどのサービスを展開してきた実績を持っており、メディアミックス戦略にも生かされている。
3) 海外展開
M&Aを活用しながら展開地域を拡大し、現在は海外14ヶ国20拠点、約2,500名体制で顧客に価値あるソリューションを提供している。ローカル企業だけでなく日本から海外に進出する企業に対して、サービス・ライフサイクルの上流から下流まで各種ソリューションサービスの提供が可能である。
4) IPプロデュース力
ゲーム業界での実績と知見をもとに、創出したIPをゲーム化、アニメ化、舞台化まで幅広くプロデュースするなど、収益の最大化を実現する基盤を有している点が強みとして挙げられる。こうした強みを生かして、同社グループ内の連携により、新たな収益機会の創出・獲得を可能にしている。
同社はこれらの強みを有機的に結合し、顧客が抱える課題に対して一気通貫で全方位からソリューションを提供できる事業基盤を構築することで、設立以来順調に売上高を拡大してきた(2010年1月期から2025年1月期までの年平均増収率は約15%)。
また弊社は、「システムとヒト」の同時活用によって提供ソリューションの質を高めていることも同社の強みと考える。業務プロセスでは、DXが進むなかでAIの活用による生産性向上が進んでいる。そうしたなかにあっても同社グループは、「人」による最終確認を行い、「システムとヒト」それぞれの良さを組み合わせることによって業務品質の向上を図っている。例えば、デバッグ業務やサーバーモニタリング業務では、機械的に判断できるエラー検知はシステムで行うが、データ上では不具合と判断できないものの、これまでの経験から「適切ではない」と思しき部分はスタッフが直接確認し報告するといった具合だ。品質の定義やエラーパターン、不正行為が日々進化する環境で、「システムとヒト」の併用によって柔軟性、効率性を高めながら、提供するソリューションのクオリティも向上させている。AIの普及によって翻訳業務やカスタマーサポート業務などは影響を受ける可能性があるが、デバッグに関しては音や色合い、ゲームの世界観などについての学習データが少なくAI化が困難な業務と位置付けられており、今後も同社の強みは維持されるものと弊社では考えている。
4. 主な業務の競合状況
1) 国内ソリューション
ゲームデバッグの競合状況については、同社とデジタルハーツホールディングス<3676>で市場をほぼ二分しており、全体でも10社前後の寡占市場となっているようだ。コンソールゲームでは同社が5割のシェアを握り、モバイルゲームにおいてはデジタルハーツが若干上回る。また、アミューズメント(パチンコ・パチスロ)分野では同社が7~8割のシェアを握っている。収益性については、寡占状況となっていることもあり安定しているが、以前と比較するとテスターの構成人員比率でフリーランスが低下し、正社員やアルバイトが上昇したため若干低下しているものと見られる(社会保険料の負担が増加)。
ソフトウェアテストでは、SHIFT<3697>が業界トップの地位を確立しており、デジタルハーツホールディングスやバルテス・ホールディングス<4442>が続いている。同社は規模的にはこれら大手と比べてまだ小さいものの、ゲームデバッグで培った運営ノウハウや高いサービス品質により、シェアを拡大する戦略である。
ネット監視業務については、イー・ガーディアン<6050>やアディッシュ<7093>のほか、大手CRM事業者などが競合として挙げられる。イー・ガーディアンに関しては、売上規模が同程度であるが、監視対象について同社が主にネットショップにおける出品物の不正チェックを行っているのに対して、イー・ガーディアンは動画・テキストの投稿内容についての監視が中心であり領域が異なっている。同社の直接的な競合としては大手CRM事業者が挙げられる。顧客先では3社程度にネット監視業務を外注しており、サービス品質によってシェアが変動するが、同社の主要取引先では徐々にシェアが上昇しているようだ。
2) 海外ソリューション
海外ソリューションについては、工程、地域ごとに競合が多く存在するが、ゲーム分野において同社と同じくサービス・ライフサイクルの上流から下流まで一気通貫で提供している企業としては、Keywords Studios Ltd.(英国、2024年非公開化)がある。2023年12月期の売上高は780百万ユーロ、従業員数は約1.3万人で同社を上回る事業規模となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 同社の強み
ゲームデバッグを中心に実績を上げ、ゲーム業界に対する深い知見を蓄積してきた同社は、以下のような強みを有している。
1) デバッグ・検証のリーディングカンパニー、ネットサポートでの実績
ゲーム分野では、日本初のデバッグ専業事業者として6,000以上の家庭用ゲームソフト、10,000以上のモバイルコンテンツに関与してきた実績を有しているほか、国内で3千人超、海外で2千人超と大規模なテスターのネットワークを構築しており、デバッグのリーディングカンパニーとしての地位を確固たるものにしている。また、Eコマース分野においては、20年以上にわたる大手ネットサービスの監視、審査実績により不正対策の知見を蓄積している。
2) ゲーム業界への深い知見
ゲーム業界との強固な取引関係を生かし、ゲーム共同開発やチューニングなどのサービスを展開してきた実績を持っており、メディアミックス戦略にも生かされている。
3) 海外展開
M&Aを活用しながら展開地域を拡大し、現在は海外14ヶ国20拠点、約2,500名体制で顧客に価値あるソリューションを提供している。ローカル企業だけでなく日本から海外に進出する企業に対して、サービス・ライフサイクルの上流から下流まで各種ソリューションサービスの提供が可能である。
4) IPプロデュース力
ゲーム業界での実績と知見をもとに、創出したIPをゲーム化、アニメ化、舞台化まで幅広くプロデュースするなど、収益の最大化を実現する基盤を有している点が強みとして挙げられる。こうした強みを生かして、同社グループ内の連携により、新たな収益機会の創出・獲得を可能にしている。
同社はこれらの強みを有機的に結合し、顧客が抱える課題に対して一気通貫で全方位からソリューションを提供できる事業基盤を構築することで、設立以来順調に売上高を拡大してきた(2010年1月期から2025年1月期までの年平均増収率は約15%)。
また弊社は、「システムとヒト」の同時活用によって提供ソリューションの質を高めていることも同社の強みと考える。業務プロセスでは、DXが進むなかでAIの活用による生産性向上が進んでいる。そうしたなかにあっても同社グループは、「人」による最終確認を行い、「システムとヒト」それぞれの良さを組み合わせることによって業務品質の向上を図っている。例えば、デバッグ業務やサーバーモニタリング業務では、機械的に判断できるエラー検知はシステムで行うが、データ上では不具合と判断できないものの、これまでの経験から「適切ではない」と思しき部分はスタッフが直接確認し報告するといった具合だ。品質の定義やエラーパターン、不正行為が日々進化する環境で、「システムとヒト」の併用によって柔軟性、効率性を高めながら、提供するソリューションのクオリティも向上させている。AIの普及によって翻訳業務やカスタマーサポート業務などは影響を受ける可能性があるが、デバッグに関しては音や色合い、ゲームの世界観などについての学習データが少なくAI化が困難な業務と位置付けられており、今後も同社の強みは維持されるものと弊社では考えている。
4. 主な業務の競合状況
1) 国内ソリューション
ゲームデバッグの競合状況については、同社とデジタルハーツホールディングス<3676>で市場をほぼ二分しており、全体でも10社前後の寡占市場となっているようだ。コンソールゲームでは同社が5割のシェアを握り、モバイルゲームにおいてはデジタルハーツが若干上回る。また、アミューズメント(パチンコ・パチスロ)分野では同社が7~8割のシェアを握っている。収益性については、寡占状況となっていることもあり安定しているが、以前と比較するとテスターの構成人員比率でフリーランスが低下し、正社員やアルバイトが上昇したため若干低下しているものと見られる(社会保険料の負担が増加)。
ソフトウェアテストでは、SHIFT<3697>が業界トップの地位を確立しており、デジタルハーツホールディングスやバルテス・ホールディングス<4442>が続いている。同社は規模的にはこれら大手と比べてまだ小さいものの、ゲームデバッグで培った運営ノウハウや高いサービス品質により、シェアを拡大する戦略である。
ネット監視業務については、イー・ガーディアン<6050>やアディッシュ<7093>のほか、大手CRM事業者などが競合として挙げられる。イー・ガーディアンに関しては、売上規模が同程度であるが、監視対象について同社が主にネットショップにおける出品物の不正チェックを行っているのに対して、イー・ガーディアンは動画・テキストの投稿内容についての監視が中心であり領域が異なっている。同社の直接的な競合としては大手CRM事業者が挙げられる。顧客先では3社程度にネット監視業務を外注しており、サービス品質によってシェアが変動するが、同社の主要取引先では徐々にシェアが上昇しているようだ。
2) 海外ソリューション
海外ソリューションについては、工程、地域ごとに競合が多く存在するが、ゲーム分野において同社と同じくサービス・ライフサイクルの上流から下流まで一気通貫で提供している企業としては、Keywords Studios Ltd.(英国、2024年非公開化)がある。2023年12月期の売上高は780百万ユーロ、従業員数は約1.3万人で同社を上回る事業規模となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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