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*17:05JST イノベーション Research Memo(5):SaaS市場、IFA市場ともに中長期的な拡大余地は大きい
■イノベーション<3970>の市場環境
1. オンラインメディア事業
コロナ禍からの経済正常化に伴う一時的な成長率鈍化はあるものの、引き続き長期的に日本におけるDX投資及びSaaS市場は高い市場成長が続くとみられる。国内DX市場においては、2021年度に2.7兆円だったが、2030年度には約2.4倍の6.5兆円へ拡大すると見込まれている。また、SaaS市場についても同様に2021年の9,000億円から2026年には1兆9,000億円へと拡大すると期待されている。導入コストの低さや保守コストの低減など、これまでのオンプレミス型からサブスクリプション型に切り替えるメリットは大きく、ユーザーの利便性を狙った様々な新たなSaaSプロダクトの開発が今後も進むとみられることから、顧客にとって本当に価値のあるSaaSプロダクトを見極めるためのオンラインメディアの果たす役割はますます重要となるだろう。
2. ITソリューション事業
近年のデジタルマーケティング手法の確立とともに、テレビや紙媒体などのマスマーケティングから、顧客ごとに最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングへの移行が進んでいる。MAについては、「MA元年」と言われた2014年以降、急速に普及が進んでいる。企業のDXに対する取り組みが活発化するなか、営業・マーケティング部門においても生産性の向上並びに売上拡大施策としてMAツールを導入・活用する動きが一段と進むものと予想される。
さらに、同社がターゲットとするB2B向けの中小・中堅企業では、MAツールを使うために必要な顧客情報管理(名刺管理)の体制が整備できていない企業も多いと推察される。MAツールの普及スピードは緩やかだが、こうした周辺分野でもITツールの普及が進んでいる。また、見込み顧客の獲得から成約・育成に至るまでの一連のプロセスを自動化するMAツールの重要性は増してくるものと思われ、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。
3. 金融プラットフォーム事業
証券・保険・不動産営業の分野では、ITを活用した業務の効率化やデジタルマーケティングによる市場拡大の余地が依然として大きいと考えられる。特に、近年はオンラインを活用した営業手法の進化が進んでおり、従来の対面型営業と併用することで、より幅広い顧客層へのアプローチが可能になっている。IFAは、特定の金融機関に属さず、証券会社と業務委託契約を結び、投資家に対して投資信託や株式、債券などの金融商品を提案する金融商品仲介業者を指す。従来の証券会社では、多くの営業社員を抱えて投資家に直接金融商品を販売していたが、海外では業務効率化の一環としてIFAを活用する流れが進んでいる。日本においても、こうした動向を受けてIFA市場の拡大が期待されており、今後、その役割がより重要になっていく可能性が高い。さらに、企業の後継者不足が深刻化するなかで、M&A市場は着実に拡大を続けている。近年、事業承継を目的としたM&Aの件数は増加傾向にあり、今後もさまざまな要因が重なり合うことで、市場の成長スピードが一層加速するものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<HN>
1. オンラインメディア事業
コロナ禍からの経済正常化に伴う一時的な成長率鈍化はあるものの、引き続き長期的に日本におけるDX投資及びSaaS市場は高い市場成長が続くとみられる。国内DX市場においては、2021年度に2.7兆円だったが、2030年度には約2.4倍の6.5兆円へ拡大すると見込まれている。また、SaaS市場についても同様に2021年の9,000億円から2026年には1兆9,000億円へと拡大すると期待されている。導入コストの低さや保守コストの低減など、これまでのオンプレミス型からサブスクリプション型に切り替えるメリットは大きく、ユーザーの利便性を狙った様々な新たなSaaSプロダクトの開発が今後も進むとみられることから、顧客にとって本当に価値のあるSaaSプロダクトを見極めるためのオンラインメディアの果たす役割はますます重要となるだろう。
2. ITソリューション事業
近年のデジタルマーケティング手法の確立とともに、テレビや紙媒体などのマスマーケティングから、顧客ごとに最適なアプローチを行うOne to Oneマーケティングへの移行が進んでいる。MAについては、「MA元年」と言われた2014年以降、急速に普及が進んでいる。企業のDXに対する取り組みが活発化するなか、営業・マーケティング部門においても生産性の向上並びに売上拡大施策としてMAツールを導入・活用する動きが一段と進むものと予想される。
さらに、同社がターゲットとするB2B向けの中小・中堅企業では、MAツールを使うために必要な顧客情報管理(名刺管理)の体制が整備できていない企業も多いと推察される。MAツールの普及スピードは緩やかだが、こうした周辺分野でもITツールの普及が進んでいる。また、見込み顧客の獲得から成約・育成に至るまでの一連のプロセスを自動化するMAツールの重要性は増してくるものと思われ、中長期的な成長ポテンシャルは大きいと言えるだろう。
3. 金融プラットフォーム事業
証券・保険・不動産営業の分野では、ITを活用した業務の効率化やデジタルマーケティングによる市場拡大の余地が依然として大きいと考えられる。特に、近年はオンラインを活用した営業手法の進化が進んでおり、従来の対面型営業と併用することで、より幅広い顧客層へのアプローチが可能になっている。IFAは、特定の金融機関に属さず、証券会社と業務委託契約を結び、投資家に対して投資信託や株式、債券などの金融商品を提案する金融商品仲介業者を指す。従来の証券会社では、多くの営業社員を抱えて投資家に直接金融商品を販売していたが、海外では業務効率化の一環としてIFAを活用する流れが進んでいる。日本においても、こうした動向を受けてIFA市場の拡大が期待されており、今後、その役割がより重要になっていく可能性が高い。さらに、企業の後継者不足が深刻化するなかで、M&A市場は着実に拡大を続けている。近年、事業承継を目的としたM&Aの件数は増加傾向にあり、今後もさまざまな要因が重なり合うことで、市場の成長スピードが一層加速するものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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