ダイトのニュース
~原薬と製剤の領域拡大でターンアラウンドをめざす~
【ポイント】
・今2025年5月期の会社計画が下方修正された。製剤の製品構成の変化や試験研究費の増加などが想定を上回っていることによる。しかし、来2026年5月期は増益に転換しよう。選定療養への置換が高まってくることに加えて、第10製剤工場の生産が上がってくるので、生産性の向上も期待できよう。
・1月に、子会社の大桐製薬は、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より、疼痛治療剤の承認を取得した。日本のCDMO(医薬品開発製造受託機関 )が中国市場向けのジェネリック製剤の承認を取得し、中国国内の自社工場で製造・販売する初の事例で、画期的といえよう。
・ダイトは、医薬品の中で、原薬と製剤の 2つの領域を手掛ける。売上比率は、46:53でほぼ半々である。原薬から製剤までの一貫生産体制を有している。原薬と製剤では、製剤の方の収益性が高いが、売上安定性は原薬の方が高い。
・ダイトの強みは、第1は、原薬から製剤までを一貫生産し、両分野の知見をオペレーション全体に活かしている。第2は、中国との連携を確立し、世界最大の原薬生産、輸出国である中国に拠点を有し、供給力を確保している。第3は、業界トップクラスの品質保証体制を有し、企業文化として、品質管理基準(GMP)に適合する仕組みを確保している。
・松森社長が主導した新中期計画が、今期より始動した。「DTP2027」(Daito Transformation Plan 2027)で、シン・ダイトの確立を目指している。芯(コア)を定めて、真剣に取り組み、品質と安定供給で信頼と信用を高め、新領域に参入して、進化と伸長を図る。既存ビジネスの立て直しと、新規ビジネスの拡張を目指している。
・新中期計画のKGI(主要目標値)として、3年後の売上EBITDA比率19.3%(2024年5月期16.1%)、ROIC6.5%(同4.7%)、ROE8.0%(同6.4%)を掲げている。2027年5月期で売上高570億円、営業利益60億円を目指す。2025年5月期は新中期計画の1期目であるが、足元は厳しい。ここを切り抜けて、来期以降の回復に弾みをつけよう。今後のターンアラウンドのピッチに注目したい。
目次
1.特色 原薬と製剤の 2本柱
2.強み ジェネリックの品質管理の定評
3.中期経営計画 新中期計画「 DTP2027」で 3年目に飛躍
4.当面の業績 今期は先行投資が影響、来期から回復へ
5.企業評価 PBR1.0倍超えに向けて
| 企業レーティング | B |
|---|---|
| 株価 ( 2025年 5月 12日) |
2070円 |
| 時価総額 | 318億円 (15348千株) |
| PBR | 0.61倍 |
| ROE | 2.9% |
| PER | 21.1倍 |
| 配当利回り | 3.4% |
| 総資産 | 76630百万円 |
| 純資産 | 51616百万円 |
| 自己資本比率 | 67.2% |
| BPS | 3408.1円 |
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 税引き利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016.5 | 36370 | 3555 | 3713 | 2566 | 205.1 | 30.0 |
| 2017.5 | 37984 | 3832 | 3878 | 2656 | 212.3 | 33.0 |
| 2018.5 | 39875 | 4161 | 4244 | 3041 | 243.1 | 33.0 |
| 2019.5 | 41134 | 4547 | 4641 | 3513 | 280.7 | 38.0 |
| 2020.5 | 44991 | 5357 | 5462 | 3944 | 309.7 | 46.0 |
| 2021.5 | 40007 | 5908 | 6067 | 4246 | 311.0 | 46.0 |
| 2022.5 | 43464 | 6553 | 6729 | 4668 | 335.4 | 60.0 |
| 2023.5 | 45101 | 5207 | 5169 | 3600 | 227.6 | 60.0 |
| 2024.5 | 46895 | 3894 | 3923 | 3295 | 210.0 | 60.0 |
| 2025.5(予) | 49000 | 2450 | 2600 | 1500 | 98.2 | 70.0 |
| 2026.5(予) | 52000 | 3500 | 3500 | 2000 | 132.1 | 70.0 |
(2025.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2021.5期より新会計基準。 2025年 5月末基準で 1:2の株式分割を予定。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/daito202505.pdf
この銘柄の最新ニュース
ダイトのニュース一覧- 自己株式の取得状況に関するお知らせ 2025/12/01
- 出来高変化率ランキング(10時台)~メディ総研、ピクセラなどがランクイン 2025/11/26
- 【IRアナリストレポート】ダイト(4577) 2025/11/05
- 自己株式の取得状況に関するお知らせ 2025/11/04
- 後発医薬品企業間による「新・コンソーシアム構想」実現に向けた協議の中間報告 2025/10/30
マーケットニュース
おすすめ条件でスクリーニングされた銘柄を見る
ダイトの取引履歴を振り返りませんか?
ダイトの株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは
※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。