KeePer技研のニュース
【QAあり】KeePer技研、全セグメント増収増益 販管費が適正化されて上期は21.4%増益で着地
売上原価および販管費の内訳変更

賀来聡介氏(以下、賀来):代表取締役社長兼Co-COOの賀来です。それでは、さっそく2025年6月期第2四半期決算説明会を始めます。
まずはじめに、「売上総利益・売上総利益率が減少していませんか?」というご質問があったため、販管費の計上について記載しています。
スライドをご覧のとおり、トップラインである売上高と営業利益はまったく変わっていません。販管費を計上する場所が変わったということで、ご安心いただければと思います。
2025年6月期 第2四半期実績

2025年6月期第2四半期の実績です。売上高は前年比13.0パーセント増の120億9,800万円となりました。
詳細は製品事業とLABOのセグメントごとにご説明しますが、特に今期は、昨年7月のスタート以来、暑い7月・8月、そして12月の繁忙期において、「キーパーLABO」および「キーパー PRO SHOP」の現場スタッフが非常にがんばった実績が反映されたのではないかと思います。
また、KeePer製品の売上については、新車マーケットの拡大に加え、車以外へのコーティングが積み重なったことが、実績につながったと考えられます。
販管費は前年比2.8パーセント増となりました。ただし、抑えられているというよりも、昨年は店舗拡大に伴い、多くの人材を採用しています。
さらに、既存店舗でも1店舗あたりの人員配置を見直しました。今までは1人の技術者につき月間売上100万円を目処に、スタッフを1人ずつ増員していました。例えば、1店舗の月間売上が1,000万円であれば技術者は10人、1,000万円を超えると11人にする、という人員体制です。
しかし、平均単価が大きく上昇しており、店舗によっては人員が過剰になりつつあると感じたため、増員基準を100万円から120万円に引き上げました。これにより、適正な人員配置が実現できたのではないかと思っています。
以上の結果、営業利益は前年比21.4パーセント増の40億3,100万円となりました。
2025年6月期 第2四半期(10-12月):営業利益の増減益分析

営業利益の増減益分析を見ると、「キーパーLABO」の来店台数が前年比プラス12.9パーセント増と、大きく伸びていることがわかります。こちらは、需要拡大に伴い新店舗が増えているということです。また、既存店における1店舗あたりの来店台数も増加しています。
さらに、予約システムを小修正しました。これにより、従来の予約システムよりも施工可能な台数が増加し、多くのお客さまが利用しやすくなりました。この修正の結果、お客さま数が増えました。
製品事業では、新車マーケットの成長が増収に貢献しました。
四半期ごとのセグメント別業績推移

セグメント別業績推移です。みなさまが一番気にされているのは、営業利益率ではないかと思います。スライド右上にある青い折れ線グラフが製品事業、赤い折れ線グラフがLABO事業です。
製品事業の営業利益率は、当第2四半期だけで46パーセントとなりました。こちらは年々上昇しており、その要因は新車マーケットにあります。当社の最大の付加価値である「EXキーパー」というコーティングが非常に受け入れられ、多くの施工台数につながっていることが最も大きなポイントです。
「どこまで伸びるのでしょうか?」というご質問もいただくことがありますが、「EXキーパー」は今後も伸びます。ただし、新車マーケットにおいては、高価格帯のコーティングだけでなく、メンテナンスや再施工など3万円から5万円のコーティングも出ていくため、伸び続けるわけではなく、いい頃合ではないかと思っています。
「キーパーLABO」の営業利益率は、数年前と比べると若干低下していますが、スライドをご覧いただくと、回復傾向であるということがよくわかるかと思います。
製品等関連事業の月次動向

それでは、セグメントごとの説明です。月次動向については、みなさまもよくご覧いただいていると思いますので、説明は控えます。
上期における製品等関連事業のサブセグメント内訳

製品事業は、4つのマーケットに分けています。事業全体の売上は前年比13.3パーセント増という実績ですが、マーケットごとに傾向が異なることがわかるのではないかと思います。
特に、ガソリンスタンドを主体とするアフターマーケットは前年比1.8パーセント増となり、少々厳しい実績です。
アフターマーケット

ガソリンスタンドのビジネスモデルは、年々燃料が減少しており、それに伴い企業側も新たな人材の採用や育成に対して少しずつ消極的になっています。
さらに、ハード面の投資でも変化が見られます。当社のコーティングにおいても、ボディーコーティングのブースの新設が、投資としては少しずつ減ってきています。スライドでも示したとおり、人員不足が顕著になり始めている印象です。
そのため、現場では需要があるお客さまが来ているにもかかわらず、お断りせざるを得なかったり、そもそもの施工台数を制限したりする状況が発生しています。
足元では、ガソリンや燃料油の価格が高騰しました。今年1月は「出たな」と感じましたが、実は、私もそのような業界出身の人間です。この動向は歴史上ずっと繰り返しており、通常は2ヶ月ほどで落ち着く傾向があります。暖かくなる3月ごろからは買い控えも収まり、通常の需要に戻るのではないかと思っています。
ちょうど今日の午前中には、石油元売り会社へ営業に行き、さまざまなお話をしてきましたが、「ガソリンの数量自体は落ちていない」と言っていました。ただし、プラスアルファの購買行動は、やはり控えられているようです。一方で「3月以降はお任せください」と非常に力強く言っていたため、春に向けて復活してくるのではないかと考えています。
とはいえ、ガソリンスタンドのマーケットが今後何十パーセント伸びるかというと、もちろんありません。これから成長するのは、新車ディーラーを主体とする新車マーケットであることは間違いないと思います。
新車マーケット

スライド左側のグラフを見ると、一番伸びているのはやはりトヨタです。このグラフからも、トヨタを軸に伸びていることが一目でわかるのではないかと思います。
ただし、当社はこのマーケットにおいてはどちらかと言うと後発組であり、すでに展開していた会社との競争が激化していることは仕方がないと思っています。
トヨタやスバルは大きく伸びていますが、それ以外は伸び切れていないと思うところも若干出てきています。ただし、これは想定どおりであり、そこまで心配していません。それよりも、3年先、5年先を見据えた際、当然ながら新車の販売台数はもう伸びないわけなのです。
では、みなさまがどうするのかというと、「保有サービスを拡大していきたい」ということです。具体的には、「現在の顧客に向けたサービスを提供していきたい」という意向を非常に力強く打ち出しています。
このような状況の中で、当社が行っているような、新車だけでなく、2回目の施工や3年後・5年後のサービスを積極的に導入したいということで、導入車数が着実に増えています。そのような意味で、今後は「ここはここで楽しみだな」と思っています。
もう1つ、当社の一番の強みは「キーパーLABO」という現場を持っていることです。現在、「キーパーLABO」と新車ディーラーが強力にタッグを組み、ビジネスの拡大を力強く推進しています。
例えば、新車ディーラーで購入した車の再コーティングを5年後に当社へご依頼いただいたり、メンテナンスを任せていただいたりします。それ以外にも、鉄粉汚れや花粉汚れなどのトラブル対応を「キーパーLABO」にお任せいただくことで、両者で力を合わせてビジネスを拡大しているモデルが全国的に広がっています。
中には、月間売上が1,000万円ほどに達している地域もあり、今後も力を合わせ拡大していきたいと考え、行動しています。
また、新車ディーラーにおいても、新車販売だけでなくメンテナンス事業も導入しようという動きが力強く出てきています。そのような意味では、当社の一番得意な分野であることから、ここで力強く行動していきたいと思っています。
海外

海外についてです。みなさまご存じのとおり、海外事業部では昨年8月に「キーパーLABO」初の直営店舗をオープンしました。
これまで月次売上は発表していませんでしたが、スライドで示したとおり、オープン月の売上は326万円、今年1月は400万円弱と、まあまあの実績かと思っています。実は、非常に手応えを感じています。もちろん、まだ黒字化には至っておらず、若干の赤字ではありますが、オープンから半年でこの水準の実績であれば、十分でしょう。
加えて、当然ながらシンガポールは日本と異なり、KeePerを知っている方はいらっしゃいません。当社はオートバックスの下に出店しているため、オートバックスを訪れたお客様に対してKeePerをご案内し、ご来店いただき、サービスを提供しています。
そのような意味で、当初は集客の導線が1本のみでしたが、とある方から非常に有力な情報をもらいました。日本と同じかもしれませんが、シンガポールはTikTokやInstagramを活用したマーケティングが非常に有効だということです。「これをうまく活用すれば、一気に拡大できる」というアドバイスを受け、2025年はSNSマーケティングに非常に注力したいと思っています。
さらに、自社だけでなく「海外事業を協力的に手伝いたい」「一緒に行いたい」という企業も出てきており、今後は大変期待できるのではないかと思います。
もちろん、来年からというわけではありませんが、3年・5年先を見た時に、KeePerが海外へ大きく広がる手応えは感じています。スライドにも記載のとおり、Googleの口コミ評価は47件で4.9点です。これは日本でもなかなか得られない評価であり、海外でもKeePerがしっかり受け入れられていることがわかります。
海外事業も着実に進めていきますので、今後を楽しみにしていただければと思います。
それでは、この後の車以外のコーティングについては、谷にバトンタッチします。よろしくお願いします。
車以外のサービス

谷好通氏(以下、谷):代表取締役会長兼CEOの谷です。私からは、車以外のサービスについてご説明します。
現在、非常に活躍している部分として、実際に売上につながっているのは「スマホキーパー」です。こちらは、KDDIから一斉に販売が開始されました。以前からドコモでも取り扱いがありましたが、間に入っていた商社の様々な事業の一部にとどまっており、全面的な取り組みには至っていませんでした。
しかし、KDDIの場合は直接の取り組みのため、ほぼ全店舗に入りました。現在は、トヨタディーラー内のauショップへの順次導入を手伝っています。「スマホキーパー」は非常に評判が良く、今後はソフトバンクや楽天などへも積極的に働きかけを行っています。
また、現在、非常に忙しいのはお風呂のコーティングです。こちらは、一斉に入っていくわけにはいかないものの、BtoBが着実に増えています。
先日開示しましたが、エステー社のグループ会社であるエステーPRO株式会社のサービス部門が、全社を挙げて行っていくとおっしゃっていました。
「お風呂KeePer」は、非常に汚れにくくなるということで始まりました。しかし、ホテル業界では滑らないという点が注目されており、現在も順調に進みつつあるのではないかと考えています。
現在、実際の売上となっているのは「スマホキーパー」の系統とお風呂のコーティングです。一時期力を入れていた看板は伸び悩んでおり、本当にやめようかと思っています。
その理由として、当社のコーティングは汚れがつきにくくなる一方で、新しい看板を貼る際、コーティングが邪魔になり、貼ることができないのです。その結果、余分な経費がかかり、きれいだった分を帳消しにしてしまうため、プロからもブレーキがかかっている状況です。このため、伸びないだろうと思っています。
また、フジツボの付着防止などさまざまなものを展開していますが、これらはなかなかスッとは進みません。 このように、言い始めると「それはやめたほうがいいのではないか」と思うようなことも含めて、現在さまざまなことを行っています。
その中で、やはり最も可能性が大きいと考えているのは、家の中に入っていくものです。カインズが非常に熱心に取り組んでいる「お風呂KeePer」も、その一例です。カインズとKeePerのダブルブランドで展開され、店頭に並ぶ商品も増えています。
ただし、「意外とダメだった」という話ばかりしてはいけませんが、意外と商品数が出ないというのが現状です。アイテム数の関係もあるかもしれませんが、思ったようには商品数が出ないため、こちらで大きくするよりも、むしろECサイトのほうがいいのかなど、暗中模索を続けています。手応えはしっかりと感じているものの、なかなか伸びていないのが現状です。
キーパーLABOのフランチャイズ展開

現在、「キーパーLABO」は転換期を迎えています。既存店舗は、何年もキャパシティアップや店舗の強化を行いつつ、さまざまなソフト面や商品も強化し、1店舗あたりの売上はだいたい一定の水準まで達しました。
しかし、このまま直営店を年間15店舗、20店舗、30店舗と一生懸命増やしていくと、人の問題なども発生します。どんどん人が増えても、離職率が下がるわけではなく、採用する人数にも限度があります。
今年は相当な社員が入社し、今年4月1日の入社式には約300人が出席します。今回は東京・名古屋・大阪・北海道の4ヶ所に分けて行います。それほどの人材を確保しても、新たな直営店をどんどん増やすにはやはり限界があるため、約半年前より出光興産との業務提携を契機にフランチャイズ店の募集を始めました。
「受け入れを始めた」とも言えますが、業界内に案内を行ったところ、現在は「話を聞きたい」「検討したい」という声を非常に多くいただいています。
今後は、直営店は十数件から20件程度が適切な出し方だと思っています。この店舗数を維持したまま、FC店を加速させていく方針です。まずは足元を固め、ビジネスモデルをしっかり確率させ、店舗のルールやマニュアルなどを固め、百数十件が順調に伸びきったところで、FC展開に移ります。
この段階は、いずれ行わなければいけないことでした。当然ながら、直営店を増やすように売上が増えるわけではありませんが、着実に利益を伸ばすステップを踏んでいるところです。
つまり、「キーパーLABO」はさまざまな意味でフェーズが変わったということです。マーケットからの要望が非常に強く、もたもたしているとマーケットは成長しないため、ここはなんとか食いしばらなければいけない状況に至っています。
また、ガソリンスタンドがいよいよ本格的に減り始めています。 そのようなところから「この店を辞めるので、キーパーLABOをここに作ってほしい」、あるいは「この空き地に作ってほしい」という依頼がどんどん増えています。
今までは、出光興産とすでに新聞で発表もしていますが、最終的には300件はこの業態にしたいと考えています。同時にENEOS社からもお話があります。
詳細については話しすぎないようにとの指摘もあるため控えますが、世の中が変わってきていることは明らかです。これまでアフターマーケットには固執せず、新車マーケットで展開していてよかったと感じています。同時に、今後は「キーパーLABO」でもどんどんと引き受けていく方針です。
また、「キーパーLABO」はカーディーラーからも非常に必要とされており、そちらに合わせていくことで事業が加速していくのではないかと思います。積極的にFCを取り入れることで現在は人材も潤沢ですが、いずれは必ずブレーキがかかるため、対処していきたいと考えています。
私からのご説明は、以上です。
質疑応答:売上高の上期の総評と、下期の解説について
質問者:業績面について、上期は売上高は3億円下振れ、営業利益は2億円弱上振れたと思いますが、特に第2四半期は非常に良く、利益率も非常に高かったと思われます。社内ではどのような議論や評価をされていますか? 例えば、一過性のものがあったかどうかも含めて教えてください。
また、下期については、現状のままではかなり利益水準が低くなると思われます。その場合、上方修正があってもおかしくないのではないかという内容だったかと思います。下期についての解説をお願いします。
谷:上期については、売上高が下振れたとはあまり考えていないため、なんとも言いようがありません。私どもの営業管理そのものが、売上総利益となっています。
営業も店舗も同様ですが、なにを付加価値で提供したかが問題であり、それがいくらの収入になったのかという計算をしているため、これは計算が違うと思います。粗利益は下振れていないと思いますが、下振れていますか?
賀来:若干下振れています。
谷:経費、特に人件費を適正化できたため、利益が出たのだと思います。これが上方修正につながるかどうかはわかりませんが、つながればいいなと思っています。
質問者:上期の進捗状況をみると、上振れは期待できるかと思います。リスク要因や、このような理由でアップサイドのオポチュニティがある、などがあれば教えてください。
谷:そのまま推移すれば、当然だと思います。ただし、何があるかわかりませんし、「決して安易に『上方修正したいです、やります』などは言ってはいけない」と厳しく言われています。
質疑応答:現場スタッフの働き方改善の今後について
質問者:現場スタッフの働き方が非常に改善されてきたとのことですが、今後さらなる改善の余地や課題はありますか? また、それに対する投資はお考えですか?
谷:劇的な改善の余地は、それほどないと思います。先ほども申し上げたように、すでにかたちができてきたため、店舗数を拡大するために固めています。
現在は明文化などの作業に一生懸命取り組んでいるため、ここからもう1段階上に改善するという考えは、現時点ではありません。固めて広げていくという段階です。
質疑応答:新車マーケットについて

質問者:新車マーケットについての確認です。スライド11ページ右側の円グラフでは、T社の売上がおそらく20数億円から40億円ほど上がっていると思われます。この成長は、先行したディーラーがさらに力を入れて上がってきているのか、それとも後発のディーラーが追随しているためでしょうか? 両方かもしれませんが、現在のトヨタ社の状況を知りたいです。
また、ホンダ社は初期でとても伸びましたが、なぜ伸びが止まっているのかについても、あわせて教えてください。
谷:まず、ホンダ社については、一度に入った後がこれです。一度に入っているためドーンと上がりましたが、現在は落ち着き、ランニング状態がこのとおりだということです。
今後進めていくのはホンダモーターの掘り起こしですが、実に細かな仕事のため、大きな伸びは期待できないと思います。
また、トヨタ社はこのようなものではないと思います。私どももコンペティターの決算も見ていますが、当然ながら、これがどれぐらいのスケールがあるものかはわかっているので、まだ何倍かにならなければいけないと思っています。
過去3年ほどは倍増が続いており、現状はここまできているため、当然ながらあと2年から3年は倍増が続くだろうと思っています。さらに、販売店が順次増えており、変わる時はゴロゴロと大きく変わります。
質問者:販売店の数量が伸びたことで、スライドのような結果になっているというイメージですか?
谷:販売店の数が主な要因です。ただ、「取り組めば全店舗が導入する」というわけではありませんが、「ここは取れる」という状況がだんだん増えています。
質疑応答:「キーパーLABO」のFC展開について
質問者:「キーパーLABO」のFC展開の考え方について質問です。手離れが良くなることで利益が増えやすいような気もしますが、一方で、利益の何分の1かは相手にも任せるため、売上は当然ながら減るだろうと思います。
利益の成長は中期経営計画のイメージとそこまで変わらないのか、逆にうまく手離せば利益はもっと増えるのでしょうか? また、直営店の出店を少し抑えてFCを増やしていますが、今後どうなるのか、展開や夢はありますか?
谷:まだフランチャイズを集め始めたばかりのため、どのようなスペースがあるのかについては、なかなか読めていません。どこかで1ヶ月で20件など、そのような時期もいずれ来るとは思います。まだなかなか読めてはいませんが、悪くなることはないと思います。
質問者:FCでもカニバリゼーションを意識していますか?
谷:もちろんです。距離規制をきちんと守っています。
質疑応答:広告宣伝費と人件費について

質問者:販管費の推移のうち、広告宣伝費と人件費について質問です。広告宣伝費は、先ほど「あまり伸ばさなくてもいい」とご説明がありましたが、来期も約3パーセントから4パーセントを維持することが可能なのでしょうか?
また、人件費が第2四半期は4億9,300万円に落ちています。先ほどスリム化についてお話しがありましたが、それほど人件費を増やさなくてもトップラインが伸び、FC展開することでそこまでかからないなどもあるかもしれません。そこまで人件費が増えなくなるものなのかについても、教えてください。
谷:人件費は増えません。FC店を展開しても、すでにスーパーバイジングできる人材作りとして、通常は1人で約7件から8件は見なければいけませんが、2件から3件しか見ていない人間もおり、彼らの育成を行っている人間も10人ほどいます。
ここを大きく増やしていけることが最も良いと考えているため、当面は人件費が増えることはないと思います。
質問者:では、固定費比率は下がっていく可能性が高いということですか?
谷:そのとおりです。
質疑応答:コーティング剤の性能の優位性と仕入れ先について
質問者:基本的なことですが、コーティング剤そのものの性能の優位性について質問です。他のメーカー、例えば中央自動車工業社のコーティング剤などとは、どのような違いや優位性があるのでしょうか?
違いがある場合、それは御社がドイツのソナックス社と作り上げてきた技術なのでしょうか? また、御社にはケミカル工場がありませんが、コーティング剤自体はどこで作ったものを仕入れていますか?
谷:作っているのは、ソナックス社です。
質問者:ドイツから輸入されているということですか?
谷:そのとおりです。それが全体の45パーセントを占めています。残りは日本国内の、名前を言えばみなさまもよくご存知のところが何ヶ所かあります。
質問者:優位性についても教えてください。
谷:優位性については、「私どものほうがいいです」と言うしかありませんが、なぜ良いのかというとリピート率にあります。
「キーパーLABO」だけで言えば、リピート率が80パーセントになるというデータを、先日とある投資家の方が計算されていました。他社のものではなく、2回目もぜひ当社で買いたくなる方が非常に多いということです。
例えば、施工後3年が経過しても「3年経っているが、確かに持ったな」と思われます。そのまま使い続ければ4年、5年と持つかもしれませんが、「約束どおり本当に持ったな」と約束を守っていることを実現している点だと思います。
質疑応答:ソナックス社との契約について
質問者:コーティング剤自体は、約4割が欧州のソナックス社から仕入れ、残りは国内産とのことでしたが、いわゆるアウトソーシングして出しているということかと思います。
有価証券報告書には「ソナックス社との契約が2024年5月から10年間、グローバルの独占取引契約」と書かれていますが、どちらがどちらを縛っているのかが今ひとつ推測できません。他からも仕入れているということは、御社はソナックス社に縛られているわけではないのですか?
谷:そのとおりです。こちら側がソナックス社を縛っています。
質問者:これは、例えばドイツ以外のグローバルの販売は、御社がすべてでしょうか?
谷:ソナックス社のグローバル取引を縛っているというよりは、共同開発したキーパーブランドの商品に関して、当社以外に販売しない約束を交わしています。
質疑応答:国内メーカーでの製造の可能性について
質問者:ソナックス社から仕入れているということでしたが、為替の関係もあるため、例えば御社も一緒に作った技術であれば、国内メーカーで製造してさらに利幅を高めるようなことは可能でしょうか? 実現しようとはされていないのでしょうか?
谷:安いからという理由で、こちらへ行って、あちらへ行ってとやっていては、真剣に開発することができないため、一度決めたら簡単に変えるつもりはありません。
為替といっても、たかが何十パーセントです。当社の原価率は10数パーセントですから、それに対する10パーセントや20パーセントであれば、無視してもよいのではないかと思います。
質疑応答:資本コスト株価を意識した経営の開示について
質問者:私の調査不足かもしれませんが、昨今、東京証券取引所から資本コスト株価を意識した経営の開示が求められています。プライム上場の発行体さまはおおむね開示が完了しているようですが、御社は開示されていません。
御社の時価総額が安定的に1,000億円を超えていく中で、国内外の機関投資家も本格的に調査に着手していく段階にあるかと思います。売上や利益よりも、資本コストとROEのスプレッド差を拡大するのか、縮小するのかを見ながら分析して購入する投資家もいると思いますので、いつ頃開示していく予定なのか、検討状況について教えてください。
山下文子氏:常務取締役兼CFOの山下です。資本コストについての開示が必要だということは、認識しています。当社は8月に本決算があるため、新中期経営計画をお出しするタイミングを目処に検討しているため、それまでお待ちください。
質問者:より大きく、株価を適切に開示することがインパクトのあるトリガーになると思っていますので、何卒よろしくお願いします。
質疑応答:社員教育や人材に対する考え方について
質問者:この3年、4年で非常に人が増えているようですが、フランチャイズの資料にあるとおり、御社はサービス業で、一番売れている「EXキーパー」は単価12万円から13万円ほどの商品になります。今後、社員教育や人材に対してどのような思いを持っているのかが大事になってくるのではないかと思いますので、お考えを教えてください。
谷:1ヶ月前のIRで、とある投資家さまが「店舗へ行ってみたけど、本当に『あれがいい』『これがいい』と勧められなかったよ」とおっしゃっていました。
変な話ですが、当社は「お客さまの話をよく聞いて、売るな」と言っています。FCの方はもともとガソリンスタンド出身の方が多いため、一生懸命売り込むのですが、単価が低いことが多いです。
一方で、お客さまは一番効果的なものを選ばれるため、お客さまに選んでいただいたほうが一番高いということで、出来上がっているのではないかと思います。
質問者:離職率やマネジメントは、現場の勢いがあるうちはいいと思うのですが、比較的難しいものだと思います。どのように考えていらっしゃいますか?
谷:あまり管理はしていません。それがいいのかどうかはありますが、確かに離職率は1割を切っているため、最近では「いいね」とよく言われます。
違うかもしれないですが、1つ言えることは、年末になると非常に忙しくなりますが、退職者がよく手伝いに来ます。けんかをして嫌になって辞めたのではなく、親の後を継がなければいけないなど、退職にはさまざまな理由があります。
人間関係も良いですし、ボス関係もありません。何かあればすぐ言える環境で、風通しが良いことも一番だと思います。店舗に行くと、社長でも「手伝ってね」と何気なく言われ、何かを手伝わされます。当たり前にそのようなことが言える関係性です。
加えて、また賃上げしないといけないようですが、給料も比較的高いです。
質疑応答:今後の事業展開について
質問者:今後10年で、会長が一番楽しみにしている事業は何ですか? 例えばシンガポールを中心とした海外なのか、何でもよいので教えてください。
谷:私の楽しみは、やはり仲間が増えることです。キーパープロショップは6,600社あり、たくさんの人がいますが、彼らが技術コンテストなどに集まってきます。
昨年は技術コンテストに5,000人以上が集まりましたが、全員が非常に楽しそうです。現在はLINEなどで他社の人同士がつながっていて、かなり盛り上がっています。そのようなイベントは、非常に楽しいです。今年は8月に40周年のイベントを開催します。誰が来てもよいことになっていますので、ぜひお越しください。
質疑応答:CMから番組制作にシフトした狙いと現在のターゲット層について
質問者:広告・販促の考え方について教えてください。テレビ番組については、詳しいことはお話しできないということでしたが、可能な限りでけっこうですので、今回、CMから番組制作にシフトした理由と狙いを教えてください。今までは顧客の裾野を広げることを狙っていたと思いますので、その考え方と逆行しているように見えます。
また、現在、訴求が必要なターゲット層をどこに設定しているのかについても教えてください。
谷:広くやるコマーシャルは、連続でなくてもよいと思います。十分に効果は出ていますし、効果を享受するプロショップのほうが、現在は若干穏やかになってしまっている状況のため、そのように考えています。
今後は、CMの効果をLABO事業にも享受していただくため、凝ったところでやってみたいと考えています。
両方取り組んだ結果を踏まえながら、今後はどのようなミックスにしていくのかを考えればよいのではないかと思います。
質疑応答:今後の「キーパーLABO」の出店について
質問者:「キーパーLABO」の出店について教えてください。前回までは出店の加速を比較的積極的に考えていたと思いますが、今回は「足元を固め、年間20店舗ほどが適正だろう」とコメントされていました。
この数ヶ月で直営店の出店に対する考え方に変化があったのか、FCと直営店のバランスをチューニングするという範囲内での変化なのかについて、教えてください。
谷:FCの出店も大きなエネルギーが必要となるため、一度、直営店を30店舗を出店することにチャレンジしてみようということです。
おそらく今年の直営店の出店は24店舗から25店舗に収まりそうですが、フランチャイズはこれから10件以上出店するため、ミックスすると、やはり20店舗ほどになってしまうと思います。その代わり、フランチャイズはプラス20店舗から30店舗の出店になると思います。
質問者:以前、「将来的には『キーパーLABO』が400店舗から500店舗ぐらいまで出せるのではないか」というお話がありました。
谷:言うだけで何の保証もありませんが、将来的には1,000店舗を目指したいと思っています。
質問者 :マーケットの広さに関する見方は変わりませんか?
谷:マーケットについて、現在は凝った人のための店づくりはしていません。日常の中の存在になれるよう、日用品にも浸透させながら、今度「チャリンコキーパー」という商品を出したいと思っています。このように、どんどん広く深く進めていきたいと思っています。
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