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酒井重工業のニュース
*11:31JST 酒井重 Research Memo(1):2025年3月期第1四半期は前年同期比18.5%の営業減益も通期予想は変わらず
■要約
酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーである。国内シェアは70%超を誇っており、近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2025年3月期第1四半期の業績概要
2025年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が6,706百万円(前年同期比10.9%減)、営業利益が449百万円(同18.5%減)、経常利益が503百万円(同27.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が690百万円(同46.3%増)となった。おおむね期初想定された結果ではあるものの、前年同期比では営業減益での着地となった。地域区分別売上高では、国内は国土強靭化加速化対策を背景に市場環境は堅調であったが、度重なる価格改定や建設業界における残業規制などから主要顧客である建機レンタル会社の設備投資が足踏み傾向となり、前年同期比10.8%減となった。海外も同11.0%減であった。北米ではインフラ投資法を背景とした道路建設投資の拡大により最終需要は堅調であったが、主要ディーラーの在庫調整により同4.3%減となった。減収ではあったが、収益構造改革に加え、円安効果もあり、増益となった。一方でアジア向けは、インドネシアで大統領選挙等の影響もあり需要が低迷、さらにASEAN市場(主にタイ、ベトナム)でも需要が減速したことから同21.1%減となった。価格改定効果や輸送費の落ち着き、円安などにより売上総利益率は30.2%(前年同期は26.9%)と改善したものの、減収や販管費の増加(前年同期比7.0%増)により、営業利益は同18.5%減となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で33,000百万円(前期比0.1%減)、営業利益で2,730百万円(同17.7%減)、経常利益で2,700百万円(同18.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,830百万円(同25.0%減)を見込んでおり、期初予想と変わっていない。世界的にインフラ投資が拡大するなか世界の建設機械需要は底堅く推移すると予想しているが、一部では鈍化の懸念があり、特に上期について同社は慎重な見方をしている。そのため第1四半期の業績が予想に沿った結果であったことも踏まえて、現時点においては通期予想を変えていない。同社は「第2四半期以降の結果によって、必要であれば予想を修正する」と述べており、今後の動向が注目される。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進する方針だ。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。既に売上高については目標を上回ったが、営業利益については進行中の2025年3月期が減益予想となっていることから、現時点でこれらの数値目標も据え置いている。年間配当については2023年3月期に200.0円(配当性向49.9%)、2024年3月期に285.0円(同49.6%)を行い、進行中の2025年3月期は215.0円(同49.9%)を予定している。このように、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは70%超。海外シェアの拡大により成長を図る
・2025年3月期第1四半期は前年同期比18.5%の営業減益。通期では前期比17.7%減を予想
・中期的な数値目標(2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円)は据え置いた
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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酒井重工業<6358>は道路舗装用ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーである。国内シェアは70%超を誇っており、近年では北米や東南アジアを中心に海外市場の開拓に注力している。
1. 2025年3月期第1四半期の業績概要
2025年3月期第1四半期の連結業績は、売上高が6,706百万円(前年同期比10.9%減)、営業利益が449百万円(同18.5%減)、経常利益が503百万円(同27.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が690百万円(同46.3%増)となった。おおむね期初想定された結果ではあるものの、前年同期比では営業減益での着地となった。地域区分別売上高では、国内は国土強靭化加速化対策を背景に市場環境は堅調であったが、度重なる価格改定や建設業界における残業規制などから主要顧客である建機レンタル会社の設備投資が足踏み傾向となり、前年同期比10.8%減となった。海外も同11.0%減であった。北米ではインフラ投資法を背景とした道路建設投資の拡大により最終需要は堅調であったが、主要ディーラーの在庫調整により同4.3%減となった。減収ではあったが、収益構造改革に加え、円安効果もあり、増益となった。一方でアジア向けは、インドネシアで大統領選挙等の影響もあり需要が低迷、さらにASEAN市場(主にタイ、ベトナム)でも需要が減速したことから同21.1%減となった。価格改定効果や輸送費の落ち着き、円安などにより売上総利益率は30.2%(前年同期は26.9%)と改善したものの、減収や販管費の増加(前年同期比7.0%増)により、営業利益は同18.5%減となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高で33,000百万円(前期比0.1%減)、営業利益で2,730百万円(同17.7%減)、経常利益で2,700百万円(同18.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,830百万円(同25.0%減)を見込んでおり、期初予想と変わっていない。世界的にインフラ投資が拡大するなか世界の建設機械需要は底堅く推移すると予想しているが、一部では鈍化の懸念があり、特に上期について同社は慎重な見方をしている。そのため第1四半期の業績が予想に沿った結果であったことも踏まえて、現時点においては通期予想を変えていない。同社は「第2四半期以降の結果によって、必要であれば予想を修正する」と述べており、今後の動向が注目される。
3. 中期の成長戦略
同社は、2021年6月に2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進する方針だ。定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE(自己資本当期純利益率)8%を実現し、安定的に配当性向50%を維持することを目指す。既に売上高については目標を上回ったが、営業利益については進行中の2025年3月期が減益予想となっていることから、現時点でこれらの数値目標も据え置いている。年間配当については2023年3月期に200.0円(配当性向49.9%)、2024年3月期に285.0円(同49.6%)を行い、進行中の2025年3月期は215.0円(同49.9%)を予定している。このように、ROEの改善に向けて明白な資本政策を発表し、それに沿った株主還元を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言える。
■Key Points
・長い歴史を有するロードローラのトップメーカーで国内シェアは70%超。海外シェアの拡大により成長を図る
・2025年3月期第1四半期は前年同期比18.5%の営業減益。通期では前期比17.7%減を予想
・中期的な数値目標(2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円)は据え置いた
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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