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*14:03JST エブレン Research Memo(3):2025年3月期は顧客の生産調整は改善の兆し。第4四半期で巻き返し目指す
■業績動向
1. 2025年3月期第3四半期累計決算の概要
エブレン<6599>の2025年3月期第3四半期累計(2024年4~12月)の業績は、売上高が前年同期比1.8%減の3,028百万円、営業利益が同18.0%減の335百万円、経常利益が同16.2%減の344百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.1%減の230百万円となった。
売上動向を5つの応用分野別に見ると、好不調がはっきり分かれたのが分かる。主力の計測・制御に関しては、引き続き顧客の在庫未消化による生産調整の影響から伸び悩んだ。累計売上高は1,852百万円と前年同期比3.5%減となった。ただ、通期予想に対する進捗率は73.8%で挽回が利くレベルにある。実際、顧客の生産調整は改善の兆しが出ており、第4四半期での巻き返しは十分可能であると同社は見ている。
好調だったのは交通関連で、前年同期比11.2%増の554百万円と2ケタ増収を確保した。主な要因は鉄道信号関連の新規案件が量産開始となったこと。通期予想に関する進捗率は79.7%である。このほか、防衛・その他が同71.6%増の169百万円と大幅増となった。通信・放送分野における電力関係は好調だったものの、通信・放送関係は大幅減少となった。累計売上高は同29.0%減の152百万円で、進捗率も57.4%に留まった。かつて通信・放送関係は花形分野だったものの、現在は厳しく、将来の見通しも明るくないと同社は考えている。電子応用分野は、顧客の在庫調整から同14.4%減の299百万円、進捗率は65.7%となった。
財務面では、資産合計は前期末比124百万円増の5,799百万円となった。負債合計は同56百万円減の1,116百万円となり、大きな変動は見られない。純資産は同180百万円増の4,682百万円となり、以上の結果から自己資本比率80.7%となった(前期は79.3%)。財務状態は強固と言えるだろう。
2. 2025年3月期の見通し
2025年3月期の業績は、売上高で前期比2.8%増の4,100百万円、営業利益で同9.1%増の530百万円、経常利益で同8.1%増の530百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.4%増の350百万円と増収増益を見込んでいる。もともと2025年3月期の収益計画は後半偏重であるため、第3四半期までのもたつきは織り込み済みである。
応用分野別では主力の計測・制御はAI向けなど先端分野の投資が旺盛である一方、低調な顧客もあるなど業界内で明暗が分かれている状況であるが、顧客の在庫調整が進んでいることから回復が顕著となり、これが一転増益の原動力となっている。交通関連は新規量産品の生産開始、防衛・その他も新規案件の成約があり、いずれも好調を予想している。電力分野は引き続き堅調を見込むが、通信・放送は従来機種の量産終了後に柱となるような案件が見当たらず、同社は苦戦すると見ている。電子応用も医療機器関連は堅調となりながらも、顧客の生産調整の影響を受ける見込みだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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1. 2025年3月期第3四半期累計決算の概要
エブレン<6599>の2025年3月期第3四半期累計(2024年4~12月)の業績は、売上高が前年同期比1.8%減の3,028百万円、営業利益が同18.0%減の335百万円、経常利益が同16.2%減の344百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.1%減の230百万円となった。
売上動向を5つの応用分野別に見ると、好不調がはっきり分かれたのが分かる。主力の計測・制御に関しては、引き続き顧客の在庫未消化による生産調整の影響から伸び悩んだ。累計売上高は1,852百万円と前年同期比3.5%減となった。ただ、通期予想に対する進捗率は73.8%で挽回が利くレベルにある。実際、顧客の生産調整は改善の兆しが出ており、第4四半期での巻き返しは十分可能であると同社は見ている。
好調だったのは交通関連で、前年同期比11.2%増の554百万円と2ケタ増収を確保した。主な要因は鉄道信号関連の新規案件が量産開始となったこと。通期予想に関する進捗率は79.7%である。このほか、防衛・その他が同71.6%増の169百万円と大幅増となった。通信・放送分野における電力関係は好調だったものの、通信・放送関係は大幅減少となった。累計売上高は同29.0%減の152百万円で、進捗率も57.4%に留まった。かつて通信・放送関係は花形分野だったものの、現在は厳しく、将来の見通しも明るくないと同社は考えている。電子応用分野は、顧客の在庫調整から同14.4%減の299百万円、進捗率は65.7%となった。
財務面では、資産合計は前期末比124百万円増の5,799百万円となった。負債合計は同56百万円減の1,116百万円となり、大きな変動は見られない。純資産は同180百万円増の4,682百万円となり、以上の結果から自己資本比率80.7%となった(前期は79.3%)。財務状態は強固と言えるだろう。
2. 2025年3月期の見通し
2025年3月期の業績は、売上高で前期比2.8%増の4,100百万円、営業利益で同9.1%増の530百万円、経常利益で同8.1%増の530百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同5.4%増の350百万円と増収増益を見込んでいる。もともと2025年3月期の収益計画は後半偏重であるため、第3四半期までのもたつきは織り込み済みである。
応用分野別では主力の計測・制御はAI向けなど先端分野の投資が旺盛である一方、低調な顧客もあるなど業界内で明暗が分かれている状況であるが、顧客の在庫調整が進んでいることから回復が顕著となり、これが一転増益の原動力となっている。交通関連は新規量産品の生産開始、防衛・その他も新規案件の成約があり、いずれも好調を予想している。電力分野は引き続き堅調を見込むが、通信・放送は従来機種の量産終了後に柱となるような案件が見当たらず、同社は苦戦すると見ている。電子応用も医療機器関連は堅調となりながらも、顧客の生産調整の影響を受ける見込みだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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