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*13:02JST ワコム Research Memo(2):デジタルペンとインクの事業領域で顧客価値の創造を目指すグローバルリーダー
■事業概要
ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」として、最新のデジタルペン技術をスマートフォンやタブレット、ノートPC、デジタル文具などを通じてパートナー企業に提供している。同時に、世界150以上の国と地域で自社ブランドでも販売し、映画制作や工業デザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターなどのクリエイターに広く使用され、グローバルな市場シェアを持つ。これと並行して、教育産業のパートナーとの共創をはじめとした新たな事業領域の構築にも取り組んでいる。
事業セグメントは、スマートフォンやタブレット、ノートPCなど完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとしてOEM供給する「テクノロジーソリューション事業」と、自社ブランドで「ディスプレイ製品」「ペンタブレット製品」、新たなカテゴリーとして「ポータブルクリエイティブ製品」を加えた商品ポートフォリオを展開する「ブランド製品事業」の2つに区分されている。ただし、新中期経営計画「Wacom Chapter 4」期間中に、新設予定の「Partner & Co-creation Unit(パートナー&共創ユニット)」も加えた3セグメントが、「Inking Experience Support Group(インキングエクスペリエンスサポートグループ)」に集約される方向を示している。
この数年は、「ブランド製品事業」において、エントリーゾーンの他カテゴリー(iPad等)への需要のシフトや中低価格帯モデルでの中国メーカーとの競争といった課題に直面してきた。一方で、新たなデジタル技術(モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーン等)の進展に伴うユーザーニーズやワークフローの進化、オンライン教育やテレワークの普及など、市場環境が大きく変化している。こうしたなかで、商品ラインナップの再構築や事業モデルのさらなる進化により、新たな成長機会の創出に取り組んでいる。
為替相場の変動が業績に及ぼす影響(円高ドル安の場合、マイナス影響※1)については、「テクノロジーソリューション事業」(収益認識地域別では主に日本で収益計上)においては、主に米ドル建てによる売上の取引価格が決められていることに注意が必要である。なお、「ブランド製品事業」についても海外売上高比率(収益認識地域別)は約82%※2を占めるが、米ドルやユーロをはじめ複数の為替相場の変動に分散されている。
※1 「テクノロジーソリューション事業」は米ドル円の変動がセグメント損益へ影響し、「ブランド製品事業」はユーロ円を中心に多通貨の為替相場の変動がセグメント損益へ影響する。
※2 2026年3月期中間期は、「ブランド製品事業」の売上高(収益認識基準)の29.3%が米国、28.1%が欧州・中近東、17.9%が日本、10.9%が中国であった。
開発拠点については、デジタルインクやセキュリティ関連のソフトウェア開発(欧州中心)を除くとほぼ国内に集約する一方、生産については複数の海外パートナー(多くが中国本土に生産拠点を有する日系、台湾系資本の受託生産大手企業)に委託している。ただ、サプライチェーンの地域集中リスク等の緩和の観点から、ベトナムをはじめ周辺の東南アジア地域等へ生産拠点の分散を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
ワコム<6727>は、デジタルペンとインクの事業領域で、技術に基づいた顧客価値の創造を目指すグローバルリーダーである。「テクノロジー・リーダーシップ・カンパニー」として、最新のデジタルペン技術をスマートフォンやタブレット、ノートPC、デジタル文具などを通じてパートナー企業に提供している。同時に、世界150以上の国と地域で自社ブランドでも販売し、映画制作や工業デザインのスタジオで働くデザイナー、アニメーターなどのクリエイターに広く使用され、グローバルな市場シェアを持つ。これと並行して、教育産業のパートナーとの共創をはじめとした新たな事業領域の構築にも取り組んでいる。
事業セグメントは、スマートフォンやタブレット、ノートPCなど完成品メーカー向けに独自のデジタルペン技術をコンポーネントとしてOEM供給する「テクノロジーソリューション事業」と、自社ブランドで「ディスプレイ製品」「ペンタブレット製品」、新たなカテゴリーとして「ポータブルクリエイティブ製品」を加えた商品ポートフォリオを展開する「ブランド製品事業」の2つに区分されている。ただし、新中期経営計画「Wacom Chapter 4」期間中に、新設予定の「Partner & Co-creation Unit(パートナー&共創ユニット)」も加えた3セグメントが、「Inking Experience Support Group(インキングエクスペリエンスサポートグループ)」に集約される方向を示している。
この数年は、「ブランド製品事業」において、エントリーゾーンの他カテゴリー(iPad等)への需要のシフトや中低価格帯モデルでの中国メーカーとの競争といった課題に直面してきた。一方で、新たなデジタル技術(モバイル、クラウド、AI、ブロックチェーン等)の進展に伴うユーザーニーズやワークフローの進化、オンライン教育やテレワークの普及など、市場環境が大きく変化している。こうしたなかで、商品ラインナップの再構築や事業モデルのさらなる進化により、新たな成長機会の創出に取り組んでいる。
為替相場の変動が業績に及ぼす影響(円高ドル安の場合、マイナス影響※1)については、「テクノロジーソリューション事業」(収益認識地域別では主に日本で収益計上)においては、主に米ドル建てによる売上の取引価格が決められていることに注意が必要である。なお、「ブランド製品事業」についても海外売上高比率(収益認識地域別)は約82%※2を占めるが、米ドルやユーロをはじめ複数の為替相場の変動に分散されている。
※1 「テクノロジーソリューション事業」は米ドル円の変動がセグメント損益へ影響し、「ブランド製品事業」はユーロ円を中心に多通貨の為替相場の変動がセグメント損益へ影響する。
※2 2026年3月期中間期は、「ブランド製品事業」の売上高(収益認識基準)の29.3%が米国、28.1%が欧州・中近東、17.9%が日本、10.9%が中国であった。
開発拠点については、デジタルインクやセキュリティ関連のソフトウェア開発(欧州中心)を除くとほぼ国内に集約する一方、生産については複数の海外パートナー(多くが中国本土に生産拠点を有する日系、台湾系資本の受託生産大手企業)に委託している。ただ、サプライチェーンの地域集中リスク等の緩和の観点から、ベトナムをはじめ周辺の東南アジア地域等へ生産拠点の分散を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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