トライトのニュース
【QAあり】トライト、売上収益はYoY8パーセント増で堅調 メディクル社の買収により、マーケティング強化施策も着実に進捗
全社:2025年12月期第1四半期業績

笹井英孝氏(以下、笹井):みなさま、こんにちは。株式会社トライト代表取締役社長の笹井です。本日はお忙しい中、当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。これより、2025年12月期第1四半期の決算概要についてご説明します。
まず、第1四半期の業績です。当社の事業の季節性ゆえに、予算自体営業利益をマイナスに設定しています。そのためわかりにくい点もあるかと思いますが、結論としては売上・利益ともに順調な滑り出しになったとご理解いただければと思います。
売上収益については、前年同期比8パーセント増の128億2,700万円となり、底堅い成長を実現しています。利益については、第1四半期は第2四半期に向けた先行投資期間となるため、営業利益およびEBITDAは例年どおり赤字で着地しました。
なお、収益性とのバランスを意識して、広告宣伝費を運用したことに加えて、広告宣伝費以外の販管費を前年同期と同水準に抑えたため、通期決算で開示した業績予想比で赤字幅を抑制しています。そのため、第1四半期は通期業績予想の達成に向けて、順調なすべり出しであると評価しています。
登録求職者の獲得強化に向けた施策について、多くの看護師や介護従事者ユーザーを抱えるアプリ開発企業の買収に成功しました。中期的なマーケティング強化に向けた施策も着実に進捗しています。
全社:各四半期末時点における累積EBITDAイメージに対する進捗

スライドのグラフは、通期決算発表時に公表した各四半期末時点における累積EBITDAの進捗イメージです。第1四半期の実績をオレンジ色でプロットしています。
広告効率の向上と人件費を中心とした販管費の抑制により、緑色点線で示している2025年12月期の業績予想と比べて赤字幅を抑制することに成功しています。
全社:売上収益(四半期推移)

売上収益の事業別内訳についてご説明します。第1四半期の事業別売上収益は、医療福祉事業で前年同期比8パーセント増の80億9,400万円、非医療福祉事業でも前年同期比8パーセント増の47億3,200万円で着地しました。
医療福祉事業:サブセグメント別売上収益(四半期推移)

医療福祉事業内における売上収益の内訳についてご説明します。スライド左側に示している医療福祉紹介事業の成長率は前年同期比7パーセント増、売上収益は57億9,400万円となりました。2024年12月期第4四半期における成長率の4パーセントから上昇しています。
スライド中央の医療福祉派遣事業の売上収益は前年同期比7パーセント増の19億8,000万円、スライド右側の医療福祉新規事業の売上収益は前年同期比35パーセント増の3億1,800万円となりました。
医療福祉事業:内部環境

医療福祉事業の累計登録求職者数および累計契約施設数についてご説明します。累計登録求職者数は、マーケティング強化施策により前年同期比22パーセント増の約255万人となりました。
スライド右側の累計契約施設数についても前年同期比8パーセント増の約9万件となり、順調に増加しています。
医療福祉事業:医療福祉紹介事業の主要KPI

医療福祉紹介事業の営業社員数および生産性についてご説明します。スライド左側に示すとおり、第1四半期末における営業社員数は、計画どおり採用を抑制した結果、1,590人となりました。
スライド右側の営業社員一人当たりの期間平均売上については生産性の改善が進んでおり、前年同期比11パーセント増の360万円となっています。
(再掲)全社:2025年12月期の経営戦略

前回の決算説明資料においてご説明した、2025年12月期の経営戦略に関するスライドを再掲しています。オレンジ色のボックスの3つ目のブレットに記載したとおり、中期的な施策として、登録求職者の獲得効率を改善していくために、医療福祉従事者とのタッチポイント増加を中心としたデータベース活用施策を積極的に進めています。
具体的なアクションとして、第1四半期ではM&Aやパートナー企業との協業を実施しています。
医療福祉事業:データベース(DB)活用施策①

M&Aについてご説明します。看護師や介護従事者の方々向けのシフト管理アプリを提供しているメディクル社を3月に買収しました。主なユーザーである看護師や介護従事者の方々はシフト制で働くため、スケジュール管理をするカレンダーアプリに対する需要が強く、継続的にアプリを利用されます。
そのため、医療福祉従事者との日常的なタッチポイントを大幅に増加させるという観点から、本アプリは魅力的なツールであると判断し、買収することにしました。買収後はPMI、つまり買収後の統合作業の一環として、当社のロゴやキャラクターを日常的に目に触れる場所に配置したアップデート版を直ちにリリースしています。
アプリから直接転職サービスに登録できる経路も構築しました。これによりアプリユーザーの方々が転職を検討する際には、広告宣伝費を投下することなく、アプリ経由で当社の転職サービスへの登録を促すことが可能になりました。
ブランド認知の強化と広告に依存しない獲得経路の構築により、登録求職者の獲得効率を改善する施策を着実に実行しています。
医療福祉事業:データベース(DB)活用施策②

パートナー企業との協業についてです。先ほどご説明したシフト管理アプリに加えて、医療福祉従事者が持つ日常生活におけるニーズに対応したサービスを、パートナー企業との協業により提供開始しました。
スライド左側のレオパレス21社との協業についてです。レオパレス21社が全国に持つ不動産物件について、医療福祉従事者向けに割引プランを提供する取り組みを開始しました。この取り組みにより、転居を伴う転職を検討している医療福祉従事者の方々が、少しでも費用を抑えて新生活を始められるように支援しています。
スライド右側はIBJ社との協業です。不規則な勤務や緊急対応などが多く、出会いの場が少ないという医療福祉従事者の方々の悩みを聞き、始めた取り組みです。IBJ社が展開している結婚相談所などのサービスを割引プランで提供しています。
これらの取り組みは、転職以外のシーンにおいても医療福祉従事者の方々が安心して仕事に取り組める環境作りを支援するもので、当社のブランド認知度を向上させることを目的としています。
医療福祉事業:医師の人材紹介

4月末に発表しましたとおり、ケアネット社との協業を開始しました。この協業をきっかけとして、今後は医師の人材紹介事業を強化します。ケアネット社は、23万人超の医師が登録しているプラットフォームを有しています。医師の総数は全国で約34万人であり、ケアネット社は約7割の医師の方々の情報を有しています。
当社はこの「CareNet.com」(ケアネット・ドットコム)に登録されている医師の方々に対して、トライトが持つ全国の医療機関における求人情報を提供することで、医師の方々の多様で柔軟な働き方に対応し、支援したいと思っています。
同時にトライトグループの医師の人材紹介事業を拡大していきたいと考えています。
以上が新規の取り組みでした。
非医療福祉事業(建設):主要KPI

非医療福祉事業についてご説明します。当社に在籍している派遣社員数は、第1四半期時点で前年同期比6パーセント増の約2,350人となりました。月平均派遣単価についても順調に上昇させることに成功しており、前年同期比4パーセント増となりました。全体として順調に成長しています。
全社:販売費及び一般管理費(四半期推移)

販売費及び一般管理費です。販管費総額は前年同期比13パーセント増となりました。人員数の最適化を進めており、人件費については前年同期と同水準を維持しています。
全社:2025年12月期第1四半期連結財政状態計算書

第1四半期末時点の純有利子負債は前年同期比8億4,700万円減少し、374億8,700万円となりました。
全社:2025年12月期第1四半期連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フローです。引き続き、大きな投資が発生しない事業モデルを維持しています。詳細はスライドをご覧ください。
全社:資本配分

キャピタルアロケーションについては、特に変更はございません。引き続き潤沢なフリー・キャッシュ・フロー創出力をもとに、積極的な財務健全性の改善と株主還元に取り組んでいきたいと思っています。
駆け足になりましたが、私からのご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:広告宣伝費の増加について

質問者:広告宣伝費についてうかがいます。広告宣伝費は前年同期比34パーセント増となっています。通期の伸び率の計画は20パーセントぐらいだと思うので、前年同期比でかなり伸びが大きいと思いました。広告宣伝費の使い方自体は計画どおりなのでしょうか?
寺田元彦氏(以下、寺田):結論から言いますと、計画よりも広告宣伝費が抑えられた運営になっています。それは利益を出すために無理に抑えたということではありません。足元の広告状況などにも関わるお話ですが、想定よりもCPA(Cost per Acquisition)をうまく抑え、登録求職者を募ることができていることから、広告宣伝費も抑えられている状態です。
一方で、前年同期比34パーセント増という数字が大きく見えるのは、前年同期においては、現在の広告戦略とはまったく異なる「広告費をいかに抑えるか」を追求していたことによるものです。そのため、昨年下半期から広告戦略を大きく変更したことに伴うものとご理解いただければと思います。
質疑応答:広告効率の評価基準について
質問者:広告の効率が上がったというご説明があったと思いますが、それは何をもって、どのような数字をもってご評価されているのでしょうか?
寺田:広告効率については、どこと比べるか、どこを基準にするかはありますが、予算や計画よりも登録CPAを抑えられています。競争関係もありますので具体的な数値は控えますが、計画より抑えて運用できているとご認識ください。
質疑応答:広告における競争環境について
質問者:広告に関して競合他社のお話を聞いていると、2月、3月ぐらいから、いわゆる広告合戦のようなものはやや収まってきているのではないかという趣旨のコメントが出ています。こちらについて、御社の見方を教えてください。
寺田:結論としては、想定よりマイルドだと思っています。競合他社さまの決算発表の資料も拝見していますが、当社も大きく認識は変わらないと考えています。
質疑応答:前年同期比8パーセント増収の見方について
質問者:トップラインについておうかがいします。昨年の3月から4月、5月にかけて、「Google」での広告不具合問題により数億円の売上の機会ロスがあったと思います。それを踏まえた上で、前年同期比8パーセントの増収をどう見ているか教えてください。
第1四半期なのであまり気にする必要がないのかもしれませんが、物足りない印象です。利益に関しては、計画より赤字幅が小さくなっていることは十分認識していますが、売上収益の前年同期比8パーセント増をどのように見ておられるのでしょうか?
笹井:競争環境の問題はだいぶ緩くなってきたというか、一時期ほどではなくなってきたことは間違いありません。今期は利益水準をしっかりと見ながら賢く投資することを心がけてきました。
営業の人員数を抑制し、一人当たりの生産性が上がったことからもおわかりいただけると思いますが、人も含めてどんどん投資をしてトップラインを伸ばそうというよりは、競争環境や利益率を見極めながらしっかりと投資をしてきました。前年同期比8パーセントの増収というのは、確かに当社の歴史を見ると物足りないとお考えかもしれませんが、今の段階ではこの戦略が一番良かったと思っています。
質問者:計画に対してインラインと考えてよいのでしょうか?
笹井:おっしゃるとおりです。
質疑応答:財務省の人材紹介業界への対応について
質問者:財務省の財政制度等審議会財政制度分科会において、人材紹介を通すと離職率が高かったり、人材紹介会社の中には質の良くないサービスを提供したりする会社があるという主張がされています。そのため、業界淘汰を促進しようという話になっているわけですが、現実問題として、このような動きが御社のビジネスにどのような影響を与えるかを知りたいです。
弱い人たちがいなくなることで、広告の無駄な競争がなくなり、シェアも上がるといったストーリーも考えられますが、一方で、紹介した人の離職率を下げるためにメンテナンスのコストがかかるようなこともあると思います。御社が取り組んでおられるような、タッチポイントを増やし、離職を止めるために働きやすい環境を提供するのをサポートするのにもコストがかかると思います。
そのようなことを合わせて考えた場合に、今期もしくは来期以降も含めて、新しい政策のアイデアについてどのようなご評価をされているのか教えてください。
笹井:我々は優良人材紹介会社の認定を受けています。国を挙げて人材紹介業界のクオリティを一定の基準に保とうという動きは、我々にとってはありがたい以外のなにものでもありません。
上場したことや、厚生労働省からしっかりと運営していることを認定していただけることは、法人さまや求職者さまが安心して我々のサービスをご利用いただけるようになるため、我々にとっては非常に大きなプラスなのではないかと思っています。
一方で、メンテナンスコストについては、もちろん人を張って問題が起こらないようにしているのはありますが、このコストは全体のコストから見ると極めてマージナルなコストですので、基本的に我々にとってはプラスの要因しかないと思っています。
質疑応答:広告競争の緩和について
質問者:最近の広告合戦が緩和の方向にあるとして、これは規制が厳しくなるからこのビジネスはあまりおもしろくなさそうだよねということで、他社があまり参入せず、お金を使わなくなっているのか、それともぜんぜん違う話なのでしょうか?
笹井:私の意見としては、関連付けないほうがよいと思っています。というのは、広告の問題は、我々や上場している競合企業さま、さらに上場していない大手さまがお金をたくさん使っているということだと思っていますので、中小の会社さまが参入してきているからとは捉えていません。大手企業間の競争だと思っています。
質疑応答:ケアネット社との連携について
司会者:「ケアネット社との協業についてです。ケアネット社もキャリア支援をしていますが、御社が提供しているサービスとどのように連携するイメージでしょうか?」というご質問です。
笹井:ケアネット社もキャリア支援をしていますので、片一方がしていなくて、片一方がしているということではないのは重々承知しています。その中でも、カニバリゼーションを起こさず、きちんとシナジーが出るような取り組みができると、双方合意のもと今回の座組をしました。
守秘義務もありますし、競争戦略上の問題もあるので中身についてはお話しできませんが、きちんとそれを理解した上で、一番良い組み方をしようと双方で合意して進めているところです。
質疑応答:医師の人材紹介の戦略について
司会者:「医師の人材紹介は、看護師や介護士と比較して個人性が強く、マッチングは難しいと思うのですが、どのように進めていく方針でしょうか? 戦略があれば教えてください」というご質問です。
笹井:こちらも戦略上の問題があるため、細かくお話できないことをご了承いただきたいと思います。おっしゃるとおり、医師独特の世界において病院のさまざまなルールがあり、看護師や介護士の世界とは違うことは十分認識しています。
トライトグループとしては、同じ雇用先である病院やクリニックに対して、これまで看護師やリハビリスタッフを紹介してきたため、多数のお客さまを持っています。一方で、ケアネット社には23万人超のデータベースがありますので、やり方によっては、極めて効率的なマッチングが可能になるとご理解いただければと思います。
質疑応答:登録求職者の成約率について
質問者:登録求職者数について確認させてください。累計登録求職者数は、前年同期比22パーセント増の255万人というお話だったと思いますが、成約率はどうでしょうか?
第1四半期の実績というよりは、今まさに3月、4月、5月ぐらいの足元の状況をおうかがいしたいです。CPAが下がっているだけでなく、しっかりイグジットまでできているのかという点が質問の趣旨となります。予定と変わっている点や今までと変わっている点など、共有いただける情報があったらお願いします。
寺田:結論から言いますと、成約率が計画より若干のビハインドとなっているのは事実です。一方で、2024年12月期と比較すると改善傾向に入っています。
定量的に調べるのはなかなか難しい部分ではあるので、あくまで弊社の理解でお伝えすると、広告競争自体は想定よりマイルドであるものの、前期と比べると競争は激しい状態にあります。その中で、転職を希望されている医療福祉従事者の方々は、さまざまな広告を見て、複数のサイトやサービスに登録する場合が増えていると認識しています。
そのような方々は当然取り合いになりますので、我々からお電話するタイミングや良い職場をご提案するタイミングが、なんらかのかたちで他社とずれてしまい、他社の方が早かったりすると、なかなか成約に結び付けられないという問題があります。
したがって、マーケティングサイドについては、登録は計画よりもかなり順調にいっていますが、成約については大きなビハインドではないものの、計画よりも若干回復が遅れているというのが現状です。
質問者:この点を第2四半期以降にどのように改善していく計画でしょうか?
寺田:細かい施策は省かせていただきますが、大きく2つの対策を取っています。1つ目は、初回のご連絡を少しでも早く行うため、社内に専門チームを立ち上げています。今まではキャリアアドバイザーがいろいろ考え、タイミングを見てコンタクトを取っていましたが、現在はまず連絡を取る専門チームを作りました。
2つ目は、当社では「レコメンドシステム」と呼んでいる営業支援ツール等を作り上げてきました。これを活用することで、生産性が徐々に改善してきています。具体的には、キャリアアドバイザーが求人提案をするスピードとクオリティを上げていく作業を行っています。
質疑応答:第2四半期以降の看護師および介護士の転職市場の見方について
司会者:「第2四半期以降の看護師および介護士の転職市場の見方を教えていただけますでしょうか?」というご質問です。
寺田:具体的な数字は将来値になってしまいますのでお伝えしにくいのですが、弊社の認識としては、転職意欲の鈍化などは特段発生せず、順調にいくのではないかと思っています。
特に看護・介護の両市場においては、本年が診療報酬改定、介護報酬改定の2年目にあたります。したがって、待遇の改善が続いていくことに鑑みても、より良い職場・より良い待遇できちんとサービスを提供したいという方々のご転職は、引き続き順調に出てくるのではないかと見込んでいます。ここをきちんと成約や売上に結びつけていきたいと考えています。
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