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【QAあり】Recovery International、売上高、営業利益ともに前期比2桁増の成長 看護専門人材紹介会社のM&Aにより採用力強化
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髙橋正人氏(以下、髙橋):Recovery International株式会社 経営管理部部長の髙橋です。本日はお忙しい中、誠にありがとうございます。それでは、さっそくですが2025年12月期第1四半期の決算についてご説明します。本日はどうぞよろしくお願いします。
本日のアジェンダです。まずは事業概要からご説明します。その後に2025年12月期第1四半期の決算概要、トピックス、最後に今期の業績予想と進捗状況という流れで進めていきたいと思います。
もう一人のあたたかい家族

当社の企業理念は「もう一人のあたたかい家族」です。私たちは訪問看護事業を行っていますが、訪問看護を単なる医療サービスではなく、ご利用者さまやご家族さまにとって、家族のようなあたたかさを持つ存在でありたいと考えています。
多くのご利用者さまはご高齢で病気により入院し、退院後に自宅か施設かを選ぶ場面に直面します。その際にご本人さまは「家族に迷惑をかけるのではないか」と不安になったり、ご家族さまも「仕事や育児等の両立ができるのか」「夜中に急変したらどうしよう」といった不安に悩まれます。
私たちは、ご本人さまもご家族さまも安心して自宅で暮らせるように、信頼できて安心できる家族のような存在であり続けたいと思っています。
当社には、この企業理念に共感した多くの従業員が集まっており、当社の文化として深く根づいています。
企業理念

2024年に、事業拡大の準備としてビジョンとバリューを設定しました。ビジョンは「在宅医療領域で最大限に時間を活かす仕組みを提供し、チームで“いきいき”と働く人を増やす」です。
在宅医療業界では人材不足が深刻化しています。そのような中で必要なサービスを届けるためには、どうしても最大限時間効率を上げていかなければならないと考えています。
一方で、効率ばかりを追い求めてしまうと、つまらない流れ作業のようになってしまいます。私たちは効率を追求しながらやりがいを生み出して、ご利用者さまのために、いきいきと働くことも追求しています。
ビジョンを実現するため、バリューとして「相手目線に立ち、自分ごとに考え、行動する」「伴走精神で信頼関係を築く」「どうしたらできるかを発言する」「鳥の目を持つ」ことを設定しています。
当社の事業は命や生活全体、もっと言えば人生に大きく関わるサービスです。人による生産性や付加価値に焦点を当てた理念を重視しています。
訪問看護が注目される理由

訪問看護の重要性についてです。内閣府の調査によると、60歳以上の方のうち93.1パーセントが、今住んでいる地域に住み続けたいと答えています。たとえ病気や不安があっても、多くの方が住み慣れた場所で暮らしていきたいと考えています。
そして、もし、治る見込みがない病気になった場合、最期は自宅で迎えたいと考えている方は51パーセントと半数を超えています。しかし、実際に自宅で最期を迎えられた方は、16.6パーセントにとどまっています。
この差には家族に迷惑をかけたくない、あるいは自宅で生活する環境が整っていないなど、さまざまな理由があります。もし、いつでも駆けつけてくれる看護師が家族のようにそばにいたら、この差はもっと縮まり、ご本人さまもご家族さまも安心して過ごせるはずだと思っています。こうした社会を実現することが、当社の使命であると考えています。
市場規模とポテンシャル

市場規模とポテンシャルです。当社の前期の売上高は約20億円で、市場シェアとしては1パーセントにも満たない規模です。
日本の訪問看護市場は、2022年時点で8,570億円、そして75歳以上の高齢者数がピークとなる2040年には、在宅医療・介護市場は36兆2,000億円と、非常に大きな規模になると予測されています。このように、とても大きなポテンシャルのある市場です。
訪問看護とは

そのようなポテンシャルがある訪問看護はどのような事業なのか、具体的にご説明します。自宅での療養生活を支えるのが訪問看護ですが、対象者は赤ちゃんからご高齢の方まで、年齢に関係なく提供されます。ただし、実際は病気を持たれたご高齢の方が多いです。
訪問看護は保険が適用されます。ご利用者さまの状態、病気の種類に応じて医療保険または介護保険が適用されることになっています。
スライド下側には、具体的なサービス内容を記載しています。病状の観察、お体を拭いて差し上げる清拭、入浴のお手伝い、お薬の相談といった健康上のお手伝い、排尿、栄養を取るために体内に入れるチューブであるカテーテルの管理、呼吸することが難しい方には在宅酸素や人工呼吸器の装着・管理といった、命に関わる専門的なサービスも行います。
そして、スライドの一番右下に記載のターミナルケアとして、最期をお迎えされるまで、症状の緩和や心のケアといったところまでをサポートしています。
訪問看護事業者と介護事業者の収益構造比較

このような保険を使った医療サービスですが、儲かるのかという点について、収支の構造をご説明します。まず在宅と聞くと、訪問介護や、最近はホスピスといった施設と何が違うのかと思われる方もいらっしゃると思います。
スライド左側のグラフ、1件当たりの売上総利益の比較をご覧ください。訪問看護は訪問介護と比べて、1件当たりの売上総利益が大きいというのが特徴です。訪問してサービスを提供し、また戻ってくるというオペレーションはどちらも同じですが、主に日常生活をサポートする訪問介護は、1件当たりの売上高が約3,900円です。
一方で、医療行為を伴う訪問看護は1件当たり約8,000円と、売上の違いがあります。このため、労務費といった人件費や、経費を差し引いた後の売上総利益も、訪問看護のほうが多く残る構造になっています。
スライド右側は施設系介護事業者との収益構造比較です。ビジネスとしての大きな違いは、箱があるかないかというところです。訪問看護はご自宅への訪問が基本になりますので、大きな建物や施設が不要です。
そのため家賃、光熱費、管理費といった固定費がほとんどかかりません。結果として、営業利益は施設系介護事業者に比べてとても高いです。施設系介護事業者の営業利益率が約3パーセントに対して、当社は約9パーセントという大きな差があります。
当社の場合、日中は看護師が訪問に出ているため、事業所も最低限のスペースで十分です。必要な設備はデスク、空気清浄機、自転車程度で済み、初期投資がとても低いのが特徴です。
この収支構造ですが、訪問看護のご利用者さまはご高齢のため、急に入院してしまったり、ご逝去されたりと、利用状況が変わりやすいです。このような点で固定費が少ないために、売上の変動があっても安定した利益が出やすいという収支構造となっています。
業界が抱える課題

ここからは当社にフォーカスを当てていきます。まずは業界の課題についてです。この業界は3つの大きな課題を抱えています。
1つ目はリソースの不足です。訪問看護のニーズが年々高まっているものの、それを提供する看護師の数は大きく増えていません。病院勤務の看護師さんが多いため、訪問看護に従事できる看護師が不足しているというのが現状です。
2つ目は非効率な運営です。医療業界では未だに紙によるやり取りが多く、契約書やケアマネージャーとの連絡は郵送やFAXが主流です。
他の業界はクラウドでの業務が一般的になっているところがほとんどかと思います。他業界と比べると、アナログで効率が悪いという課題があります。
3つ目は規模拡大の限界です。特にマネジメント層の人材育成が大きな壁です。効率化していくためには、規模の経済性を高めていく必要があります。
訪問看護を拡大するには、看護師がマネジメントのスキルを身につける必要があります。しかし、専門職から管理職への転換は非常に難しく、拠点や人が大きくなるほど、マネジメントはさらに難しくなります。その結果、思うように事業を広げられずに生産性が上げられないという状況になってしまいます。
当社の特⻑・強み

これに対して、当社はこの業界の3つの課題を強みに変えています。まずリソース不足については、未経験者を積極的に採用しています。そして、3ヶ月後には1人で訪問できる「早期育成プログラム」を運用しています。
業界の2つ目の課題である非効率に対しては、当社はDX化を推進しており、業務の効率化を推進しています。詳細は後ほどあらためてご説明します。そして3つ目の課題である組織開発力については、マネジメント層の育成に力を入れており、規模の拡大に必要な管理職の質を高めています。
未経験者採用と早期育成プログラム

未経験者採用と「早期育成プログラム」について、具体的にご説明します。当社の従業員の多くは訪問看護未経験で、20代、30代の女性が中心です。ご自宅に訪問して1人きりで医療サービスを提供するというのは、とても大きな不安があります。
安心して働いてもらうため、育成には特に力を入れています。全社としても、拠点毎の取り組みも行います。内容はご自宅を訪問する際のマナー教育にはじまり、サービスに関するOJT、不安に対するメンタルサポートなど、手厚く育成していくことで確実にステップアップしていただきます。
そして、3ヶ月後には独り立ちできるような体制をとっています。
効率性を重視した訪問エリアの設定

DX化についてです。当社が出店する時は、ニーズがあるか、競合がいるか、当社の運営モデルが適用できるかといったところを、データを分析することで慎重に検討しています。
そして、ドミナント出店をしているため、すでに開拓しているエリアから広げていくかたちをとっています。このことで新規依頼の獲得や、サービス提供に穴を開けず、安定的な提供ができるよう設定しています。
DX化推進によるオペレーションコストの抑制

もう1つのDXとして、業務を集約して経済性を高めています。一般的な訪問看護の事業所では、各事業所で管理業務を行いますが、当社は本社で一括して複数拠点の管理業務を担当します。
これによって、業務の統制やオペレーションの改善に取り組みやすくなっています。そして、結果として、オペレーションコストを抑えて高い利益率を実現しています。
マネージャー育成

組織開発においては、マネジメント層の育成に力を入れています。マネージャー向けには8ヶ月間の育成プログラムを実施しています。そしてマネージャーになった後も、年間30時間の研修を必須としています。
このことで管理職の質を高めて、組織全体の成長につなげています。また、多くの管理職を育成していくことで、今後の事業展開のスピードを高めていこうと考えています。以上の強みを活かして、事業拡大を加速させていきます。
訪問看護サービス提供の流れ

ビジネスモデルについてご説明します。当社は医師や施設を持っていません。ご利用者さまのご自宅に訪問してサービスを提供しています。
サービス提供までの流れについてです。サービスを開始する時には、主治医から訪問看護指示書を発行してもらう必要があります。指示書にはご利用者さまの病状、治療内容、服薬の状況、サービス上の注意点といったような、具体的な指示が記載されています。
これをもとに、当社の看護師やリハビリのスタッフは必要な医療行為、ケアを行っています。
事業系統図

事業系統図とKPIの全体像です。当社へのご利用者さまの紹介は、医療保険の場合は医師から、介護保険の場合はケアマネージャーからいただきます。
ケアマネージャーとは、ご利用者さまの介護保険のサービス全体を調整する役割です。例えば訪問介護や訪問看護、デイサービスなどを保険の範囲内でバランスよく組み合わせ、月曜日は訪問介護、火曜日は訪問看護といったようにサービスを手配します。
売上の平均単価は、単価がやや高い医療保険と低めの介護保険の割合で決まってきます。これらの報酬は医療保険は2年ごと、介護保険は3年ごとに見直され、2024年も改定があったところです。
スライドの真ん中に、訪問看護人員数とあります。売上を増やすためにはケアマネージャーや医師からご紹介をいただくことだけではなく、訪問できるスタッフの人数のバランスも取れていることが非常に重要です。
このバランスが崩れてしまうと、スタッフの負担が増えてしまったり、逆に人件費が無駄になってしまったりします。売上は、サービス提供に対する国・自治体への保険請求分と、ご利用者さまの自己負担分1割から3割の利用料になります。
このような流れで事業が成り立っています。
当期の重点課題

ここからは決算のご説明です。まず、当期の3つの重点課題です。1つ目は、既存事業として訪問看護を計画どおりに出店し拡大していくことです。この第1四半期では、計画どおりに物件の選定を終えることができました。
2つ目は新規事業の開発です。今年3月に人材紹介事業のM&Aを完了しています。また、コンサルティング事業とSaaS事業についても、順調に準備を進めています。
3つ目はリソースの確保です。新規開発事業を推進する人材と本社部門のマネジメント人材の採用については、現在も継続して行っているところです。また、既存事業の看護師等の現場対応については、順調に進捗しています。
決算サマリー

そのような進捗の中、第1四半期の決算としては、売上高は前年同期比プラス29.5パーセント、営業利益はプラス65.4パーセント、四半期純利益はプラス59.3パーセントと大きく成長しました。
損益計算書

損益計算書です。この第1四半期では、売上高は5億7,200万円、営業利益は6,600万円と、大幅に成長しています。営業利益率は11.6パーセントと、前年同期でプラス2.5ポイント改善しています。
四半期単位の売上高の推移

スライドのグラフは過去からの売上高の推移です。右肩上がりで成長しています。2024年に取り組んだ、新規依頼に向けた地域連携活動や人材採用の強化によって、2024年から特に傾斜が大きくなってきています。
四半期単位の営業利益の推移

営業利益の推移です。第1四半期では、新規依頼の獲得と人材確保のバランスをとって、前年同期比で大きく成長できました。しかし、毎年のトレンドではありますが、第2四半期では大型採用を計画しているため、利益が一時的に下がる見込みです。
2025年12月期 主要KPI

KPIのサマリーです。サービスを提供する体制に紐付く人員数として、前年同期比で約50名増加しています。
スライド真ん中部分の1人当たり訪問件数では、人数を増やしながらも昨年より3件増加しており、効率性も向上しています。スライド右側の訪問単価については、約60円のプラスと、若干向上しています。いずれも順調な実績であったと評価しています。
延べ訪問件数と利用者人数の推移

訪問件数とご利用者さまの数です。いずれも右肩上がりで成長しています。ご利用者さまは一定の水準で入院されたり、ご逝去されたりということがあるため、新しい依頼をいただいてご利用者さまの数を増やしていくことが課題となります。結果としては順調に伸びてきている状況です。
1人当たり訪問件数と人員数の推移

稼動している人員数の推移です。こちらも右肩上がりで順調に成長しています。計画どおり、第2四半期の大型採用で、さらに一段階増加する予定となっています。
この間は3ヶ月間の研修期間があるため、1人当たりの訪問件数は第2四半期で一時的に落ちるのがトレンドです。ただし、育成体制が整ってきているため、昨年よりスムーズに生産性を取り戻せると考えています。
訪問1件当たり単価推移

訪問1件当たりの単価推移です。昨年は介護保険と医療保険の改定が行われましたが、いずれも当社にとってはポジティブな改定であり、平均単価はおおむね安定しています。
採用数推移

看護師など、現場の採用数の推移です。昨年の第1四半期と比べると、自社での採用がなかったため若干下振れしました。これからは紹介会社からの採用に依存しすぎないよう、さらに自社で採用を増やせるようにしていくことが課題となっています。
貸借対照表

貸借対照表です。M&Aを行うにあたり、第1四半期では子会社へ資金貸付を行っています。これによって、子会社が外部から高いコストで資金調達することなく、グループ内で最適な資金配分をしています。
売上の増加による運転資金として、2億円の当座貸越を実行しています。
営業利益増減要因(前年同期比)

営業利益の増減要因です。これまでの出店によって、出店後1年を超えた年次の既存拠点で高い利益率を確保しています。販管費では本社の増設により家賃の増加と、消費税等で若干増加しています。
人的資本データ(2025年3月時点)

人的資本のデータです。当社の従業員数は、本社管理部門を含めて280名となっています。まもなく300名に到達しそうだというところです。この第1四半期では16名が新たに入社し、3名が休職から復職しています。
スライド右側のグラフのとおり、当社は20代、30代の女性が多く在籍しています。そのため結婚や出産、育児といったライフイベントによって一時的な休職がありますが、夜勤や残業が少なく、ワークライフバランスを重視した運営によって復職率が高いことが特徴です。
子会社による人材紹介事業の開始

ここからはトピックスについてです。まず、事業トピックスとして、第1四半期に子会社のRePath株式会社が、看護師専門の人材紹介会社を買収しました。私たちが事業を行っていく上で重要なのはやはり人材です。通常は紹介会社に募集の依頼をして紹介していただくかたちですが、グループに取り込むことで、採用力をさらに強化していきたいと思っています。
両社の事業リソース

スライドは、それぞれの事業のリソースを示した図です。今回のM&Aで両社の強みを活かしていくことを目指しています。当社の強みは、現場の運営力と、現場で働く人に関する豊富なデータです。
一方で、人材紹介事業の強みは、これから働きたい人たちとの接点やデータです。この2つを組み合わせることで、より大きなシナジーが生まれると考えています。今後も、理念に共感する仲間を増やして、さらに成長していきたいと思っています。
シナジー効果

短期的に目指しているシナジーです。まずは、採用力の強化と採用プロセスの効率化を目指していきたいと思っています。実際、外部の紹介会社から紹介いただくと、紹介料は1人当たり約100万円かかります。これをグループ内で紹介することで、外部への手数料が削減できます。
また、看護師の獲得競争が激しくなってきているため、採用プロセスをスピードアップして、内定率を高めていきたいと考えています。さらに、早期離職を防ぐために、マッチング精度を強化して入社後のギャップを減らすことも目指しています。
自己株式の買付

自己株式の買付についてです。当社は株主還元の強化および資本効率の向上を目指し、自己株式の取得を実施しています。期間は2025年4月17日から2025年10月31日までで、市場より買付しています。
これにより、11万株の取得を計画しています。
出店エリア

最後のトピックスです。2025年4月に東京都大田区に新拠点を開設しました。これまでは大田拠点が若干遠くて飛び地となっていましたが、他の拠点と結ぶ拠点を出すことで、ドミナントの効果を発揮することを目指しています。
2025年12月期 個別業績予想サマリー

業績予想についてです。個別業績予想については、前回から変更はありません。売上高は25億3,200万円で前年実績比24パーセント増、営業利益は2億100万円で前年実績比11.4パーセント増を計画しています。
2025年12月期 個別業績予想

個別の業績予想です。新規出店と効率化によって利益の拡大を目指しています。純利益が前期実績比マイナスになっていますが、賃上げ促進の税額控除がギリギリまで確定しないため、計画上は保守的に見ています。
通期個別業績予想に対する進捗状況 前期対比

前年の実績対比の進捗率です。売上高の進捗はほぼ計画どおりで、前期進捗率に比べプラス1ポイントとなりました。営業利益の進捗は、昨年の第1四半期時点では22.1パーセントの進捗率でしたが、今期は昨年の出店と採用が好調だったことから、生産性が向上して進捗率は32.8パーセントとなっています。
通期個別業績予想に対する進捗状況

年間の計画に対する、第1四半期時点の進捗状況です。売上高はほぼ計画どおりです。一方で、営業利益は、計画値を大きく上回る状況となっています。
通期業績予想

この第1四半期には子会社によるM&Aを実施しているため、連結の業績予想も出しています。個別業績予想は変わっていませんが、連結業績予想上は、売上と利益ともに若干の増加を予想しています。
人材紹介事業の再構築を終えて、現在の予想を超えるような成果を出していけるように取り組んでいきます。引き続きよろしくお願いします。
ご説明は以上です。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:訪問看護に特化している理由について

司会者:「ビジネスの基本的な部分についてうかがいます。御社は訪問看護に特化していますが、一般的には訪問介護と組み合わせて事業展開するイメージがあります。訪問看護に特化している理由は何ですか?」というご質問です。プレゼンでもご説明いただきましたが、補足をお願いします。
髙橋:スライドに記載のとおり、ご自宅での医療的なサービスを求めているご利用者さまのニーズに応えるために、訪問看護に特化しています。訪問介護は、訪問して自宅でサービスするという点は同じですが、サービスする内容と提供する職種が違います。
訪問介護は、食事のお手伝いや排泄の介助など、日常生活のお手伝いをします。一方で、訪問看護では、医療的なケアを行います。
また、提供する職種については、訪問介護はヘルパーが主に行っています。一方、訪問看護は看護師や理学療法士が行うことになっています。
収益構造についても、訪問介護は単価が低く、利益率はあまり高くありません。一方で、訪問看護は利益率が高いという特徴があります。このようなビジネスモデルの違いがあります。
質疑応答:DX化の具体的な内容について

司会者:「DX化についてのお話がありましたが、具体的にはどのような部分でDX化しているのですか? 例えば、ケアマネージャーのケアプランや訪問が記録され、健保協会へのオンライン請求などが一元管理で行えるような介護システムの導入と思ってよいのでしょうか?」というご質問です。
髙橋:そのようなオペレーションの面もありますが、もっと広く働きやすさと効率化全般でDX化を推進しています。そして、さまざまなデータを集めて、必要なデータをまとめて可視化して、目標設定や閾値の設定などを行っています。
例えば、効率性を重視した訪問エリアの設定にデータを使っています。また、請求業務のクラウド化を行って、拠点事務のコストを抑制しています。さらに、実績や勤務状況のKPIをダッシュボード化して、いつでも見られるようにしています。
ご質問いただいたケアプランは、クラウド上で管理しています。そして必要な時にいつでもアクセスできるようにしています。
また、その他のご利用者さまの情報も併せて管理しており、訪問記録・オンライン請求は別のシステムで一元管理しています。請求だけではなく、人事情報や経営情報などすべてをDX化の対象としています。
質疑応答:人材育成プログラムの独自性や強みについて

司会者:「人材育成について、素人目には一般的な内容ではないかとも感じます。どのようなところに独自性や強みがあるのでしょうか? 理解が及ばないので補足をお願いします」というご質問です。
髙橋:独自性に関しては、当社にはさまざまな研修がありますが、単なる座学ではないところが大きいかと思います。つまり、現場で実際に起きているケーススタディをテーマにして、グループワークで取り組むことを中心に据えています。
例えば、「人間関係が上手く行かない時にどのように関わっていくか」「ご利用者さまからクレームが来てしまった場合にはどのように対応するか」など、働いていく中で誰もが経験するような課題を扱っています。
つまり、実践にそのまま使えるところが特徴になっているかと思います。
質疑応答:訪問看護市場における自社の位置づけについて

司会者:「訪問看護市場における現時点の御社の位置づけを教えてください。また、競合他社の状況も踏まえて、マーケットについての環境認識をお聞かせください」というご質問です。
髙橋:スライドで示したとおり、後期高齢者は増え続け、2040年までは市場は拡大していくと考えています。
一方で、現状でも、新規の事業所の開設が年々、増えてきています。
逆に、廃止している事業所も同じく年々増加しています。したがって、長期継続的に運営していくことの難しさがあると思っています。
ただし、競争環境は徐々に強まっていくとは思います。この点については、当社が強みにしている採用や育成、DX化、働きがいの創出などが重要になってくるだろうと考えています。
質疑応答:営業利益増減要因の販管費について

司会者:営業利益増減要因のスライドで、販管費のグラフの一番右に「その他」とあり、1,300万円ほど利益の押し下げ要因になっているように見えます。補足いただける範囲で内訳を教えてください。
髙橋:主な内容は、本社の増設費用による地代家賃です。また、訪問看護は医療保険または介護保険が適⽤されるビジネスですので、消費税の分は経費に計上されてしまいます。この控除対象外消費税の税金の分が増加しています。
さらに、人が増えていくに伴って、支給する備品やスマホ、スマホにかかる通信料、システム料が増えますが、それらが「その他」に入っています。
質疑応答:採用数と離職率の推移について

司会者:「採用数推移を見ると、毎年、第2四半期に採用数が多い傾向があります。御社は12月決算ですので、4月、5月、6月が第2四半期にあたりますが、新卒採用しているのでしょうか? また、離職率はどのような感じか、主な離職の理由などを言える範囲でけっこうですので教えてください」というご質問です。
髙橋:まず、当社では新卒採用は行っていません。第2四半期に大量採用を行っていますが、すべて中途の方を対象としています。
離職率については公表していませんが、2022年、2023年から2024年は大幅に改善しています。離職原因として過去に多かったのは、やはり人間関係です。同僚・上司との関係性や、結婚・出産といったライフイベントを理由とした退職が多かったです。この人間関係の部分が改善してきています。
対策としては、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させることに取り組みました。これにより共通の目標ができ、一致団結した風土作りを行いました。また、本社の人事部門やエリアマネージャーが、現場で問題が起こった時に早期に発見して、すぐに現場に踏み込んで解決していることにより、離職率が大幅に改善してきています。
質疑応答:増収増益の主な要因について

司会者:「足元の数字について、売上・利益ともに増加しています。特に利益は伸びが大きいと感じました。あらためて増収増益の主な要因について教えてください」というご質問です。
髙橋:売上については、昨年もその前も出店を続けてきています。この過去のエリア出店において、新規のご依頼をしっかり獲得できています。
そして、お仕事をいただいても人材がいないとサービス提供できませんので、人材もしっかり確保できていることが売上の増加要因になっています。
販管費はそれほど大きな増加がなかったため、売上の増加が利益に直結しているかたちになっています。
質疑応答:営業利益率への評価について

司会者:「営業利益が大きく改善していますが、営業利益率も前年同期から2.5ポイント上昇して、11.6パーセントとなっています。現状の営業利益率の水準に関して、御社内ではどのように評価していますか? 例えば、だいたい適正水準だというイメージなのか、良すぎるのか、もっと改善できるのか、感覚的にでもよいので教えてください」というご質問です。
髙橋:昨年は営業利益率が9パーセントですので、9パーセントから10パーセントくらいが、適正な水準だと考えています。
今後は、短期的に6店舗、7店舗の出店を維持していきます。中長期的には10店舗、20店舗と出店を増やしていきます。出店が増えれば増えるほど、出店費用がかさんできます。そこで、売上と出店のバランスを取って、9パーセント、10パーセントを維持していきたいと思っています。
質疑応答:通期業績予想の進捗状況について

司会者:「通期予想に対する進捗率を見ると、足元は好調に推移していると感じます。今は5月末ですので、もうすぐ御社の上半期が終わる段階ですが、下期に向けた見通しも含めて、通期予想の達成見込みについて補足をお願いします」というご質問です。
髙橋:進捗率については、売上高はほぼ計画どおりで、営業利益はかなり上振れしています。計画でも当然見込んではいたのですが、退職の補充に関する予算が未消化だったこと、また、M&Aのコストを抑えられたことにより、計画を上回る利益の進捗率となりました。
評価としては、現時点では順調に成長ができていると考えていますので、引き続き、年間の計画達成に向けて、全力を尽くしていきたいと思っています。
質疑応答:株主還元方針について
司会者:「プレゼンの中で自社株買いの話もありましたが、配当や株主還元など、今後の方針などがあれば教えてください」というご質問です。
髙橋:株主さまへの還元は、重要事項だと捉えています。グロース市場の上場維持基準も変わってきており、これからより一層、事業成長していかなければなりません。したがって、今一番重視しているのはやはり事業の成長で、企業価値を向上させていくことを最優先で考えています。
質疑応答:新規事業やM&A戦略について

司会者:「今後の新規事業やM&Aの戦略など、そのあたりの方針等があれば、言える範囲でけっこうですので教えてください」というご質問です。
髙橋:第1四半期の実績として、人材紹介事業をM&Aしました。今後のM&Aについては、具体的な計画は今のところはありません。
新規事業の投資に関しては、当社は訪問看護サービスがメイン事業となっていますので、これとシナジーを発揮できる領域への投資は行っていきます。スライドにも記載のとおり、領域としてはコンサルティングやSaaS事業領域への投資を考えています。
質疑応答:子会社RePathとのシナジーについて

司会者:「人材紹介事業を営む子会社RePathが、新たに連結対象となるとのことでした。人材紹介事業とのシナジーについて、今後の成長見通しも含めて補足をお願いします」というご質問です。
髙橋:連結業績予想に対しては順調に推移しています。この事業の具体的なKPIとして、労働集約型ですので、キャリアアドバイザー(CA)の採用に注力しています。
今年は10名の採用計画で動いていますが、5月段階では順調に採用が進んでいます。
営業力の強いCAをしっかり確保していくこと、そしてリカバリーの強みと掛け合わせることによって、連結売上高も順調に推移していくことを計画・予想しています。
質疑応答:不正請求のリスクと防止策について
司会者:「業界を取り巻くニュースとして、昨今、不正請求などのニュースを耳にします。 御社も広い意味で同業にあたると思いますが、御社にもそのようなリスクはあるのでしょうか? そのような不正が起きない仕組みなどがあれば、あわせて教えてください」というご質問です。
髙橋:プレゼンでもお話ししましたが、当社ではDX化を進めており、現場に事務員を置かずに請求は本社一括で行っています。事業部と請求部門が切り離されているため、請求部門は業績のプレッシャーを受けていないことが、1つのポイントだと思います。
また、請求に関する研修や、コンプライアンスの研修も定期的に実施しており、不正請求が起こらないような体制づくりに取り組んでいます。
司会者:事業部と請求処理を行う部門、管理部門は、一般的にも切り離されているのが普通だと思いますが、そのようなわけでもないのですか? 結局、会社全体の、経営層からのプレッシャーがあれば、そのようなことが起きうるのではないかと感じますが、何か違いはあるのでしょうか?
髙橋:介護事業もそうかもしれませんが、訪問看護事業では現場に事務員が1人いて、請求処理するのが一般的です。もう1つ、上場するにあたって、内部監査やJ-SOXでしっかりモニタリングされており、仕組みとして統制が効いていることが大きく違うと考えています。
質疑応答:上場維持基準への適合に向けた対策について
司会者:「御社はグロース市場に上場していますが、上場維持基準の厳格化の話題を最近よく耳にします。時価総額の基準なども厳しくなっていくことが予想されますが、そのような上場廃止リスクに関しての考えや対策があれば教えてください」というご質問です。
髙橋:時価総額をいかに上げていくかについては、今回のニュースの前から継続的に議論しています。
中期経営計画は開示できていないのですが、既存事業や新規事業の拡大によって、収益性をしっかり上げていくという計画立案を社内で進めています。上場維持基準をクリアできるよう、これからも経営改善を図っていきたいと思っています。
質疑応答:ドミナント戦略の進捗状況について

司会者:「首都圏のドミナント戦略について、現在の進捗状況と今後の展望をお聞かせください」というご質問です。
髙橋:4月に1拠点開設しましたが、今年は6拠点の開設に向けて順調に進捗しています。長期的な視点では、自社だけではなく、FC展開を含めた拠点数で、中長期的には10拠点から20拠点、出店していきます。エリアとしても全国に広めて、より多くの方にサービスを届けていきたいと思っています。
質疑応答:今後のM&Aのターゲットについて
司会者:「未経験者のほうが、定着率が高いというお話を以前お聞きしました。そのような背景も考慮すると、同業他社をM&Aすることはなかなか難しい印象があります。今後、M&A先を検討する際に、どのようなところをターゲットにするのか、考えをお聞かせください」というご質問です。
先ほどもM&Aの方針について回答いただきましたが、補足があればお願いします。
髙橋:先ほどの回答と重複してしまいますが、今のところ具体的な計画はありません。新規事業としてシナジーを発揮できる領域での投資を考えていますので、今期はないとしても、これからその領域については発生する可能性はあると思います。
髙橋氏からのご挨拶
本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございました。今年は、新しい事業の取り組みが始まり、真価が問われる年度だと思っています。
私たちのメインの訪問看護が、在宅医療を必要とされるご利用者さまに幅広く届けられること、そして、コンサルティング事業やSaaS事業などの新規事業を通じて、当社だけではなく、業界全体の成果・成長につなげられるように、これからより一層気を引き締めて取り組んでいきたいと思っています。
今後ともぜひご指導とご鞭撻のほど何卒よろしくお願いします。本日はありがとうございました。
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