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【QAあり】セントラル警備保障、売上高・利益ともに中間業績予想を上回り着地 高輪エリアの警備開始が売上増に貢献

投稿:2025/10/30 15:30

会社概要及び株主の状況

市川東太郎氏(以下、市川):セントラル警備保障代表取締役執行役員社長の市川です。本日は当社の中間期決算説明をご視聴いただき、誠にありがとうございます。それでは、資料に沿ってご説明します。

まず、会社の概要と株主の状況についてです。スライドに記載のとおり、大株主および所有者別株式分布状況に関して、半期の間に大きな変化はありませんでした。

中間期 連結業績の状況(前年同期比)

連結業績のハイライトについてご説明します。まず、中間期の連結業績の前年同期比についてです。スライドに赤文字で記載しているとおり、売上高は増収、営業利益と経常利益も増益となりましたが、親会社株主に帰属する中間純利益は減益となっています。

スライド上の表のうち、2026年2月期第2四半期の業績を赤色で囲んでおり、その右隣は増減になります。一番上の売上高の増減は前年同期比プラス39億4,200万円と、大きく伸びています。これは注釈上段に記載のとおり、常駐警備では「高輪ゲートウェイシティ」の警備が新たに始まったことに加え、前期に実施したM&Aや大阪・関西万博の臨時警備などが要因となり、大きく伸びました。また、機器工事の案件が好調だったことも大きな要因です。

営業利益は、売上高に伴い同様の利益率で伸びています。

また、特色として、表の下から2段目に記載の親会社株主に帰属する中間純利益の増減が前年同期比マイナス1億1,900万円となっています。これは、注釈下段に記載のとおり、前年に実施した政策保有株式(日本ハウズイング社の株式)の売却の反動によって、純利益のみ減益となったことが要因です。

スライド下部のグラフは、先ほどの表をグラフ化したものです。

連結業績予想と実績対比(公表比)

連結の業績予想と実績の対比です。業績予想に対し、売上高・利益ともに予想を上回りました。要因としては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する中間純利益はいずれも増加したことが挙げられます。

常駐警備の料金見直しについては、ある程度想定していたものの、お客さまのご理解が予想以上に得られたことが影響しています。また、大阪・関西万博に関連して、予定よりも追加臨時警備が発生したことも要因の1つです。また、別の要素として「火災安全対策システム」などのカメラとAIを用いた商材により、お客さまの課題解決を支援する工事販売が伸びたことも大きな要因です。

JR東日本及びグループ向け売上の推移

東日本旅客鉄道(JR東日本)さまおよびJR東日本グループさま向けの売上推移についてです。スライド表の一番右側に示しているとおり、当中間期は前年同期よりも伸びています。この伸びは、「高輪ゲートウェイシティ」における警備業務や機器工事が好調だったことが要因です。

スライド下グラフのグループ向け売上推移は、一定のボリュームで増加し、2026年2月期も全体として伸びると想定しています。

セグメント情報(前年同期比)

前年同期比でのセグメント情報です。常駐警備と機器工事が大きく増加しています。スライド表の一番上に記載している常駐警備の売上高増減は、前年同期比プラス24億7,000万円でした。これは注釈上段に記載のとおり、「高輪ゲートウェイシティ」に関連する案件や、前年のM&Aによる阪急阪神ハイセキュリティサービスが通年で寄与したこと、大阪・関西万博における臨時警備業務などがプラス要因となっています。

2段目の機械警備は前年同期比で2億円ほど伸びています。これは、注釈真ん中に記載のとおり、山梨県甲府市に拠点を置く日本連合警備の4月のM&Aにより増加したものです。

4段目の工事・機器販売も前年同期比で12億円ほど伸びています。これは、注釈下段に記載のとおり、防犯カメラや入退室システムの販売が好調に推移したことが要因です。特に、「高輪ゲートウェイシティ」での販売が非常に好調だったことから、前年同期を大きく上回る結果となっています。

セグメント構成比の推移

セグメントごとの構成比の推移です。2019年2月期から2026年2月期において、スライド円グラフ内右側の常駐警備の売上構成比が減少傾向にある一方で、機械警備および機器工事の売上構成比が増加しています。

機械警備および機器工事のボリュームが増加している中で、これらの売上とそれに伴う利益については、特に収益性が非常に高いと考えています。そのため、スライド下に記載のとおり、収益性の高い機械警備と機器工事をさらに増加させていく方針を引き続き堅持していきます。

また、常駐警備の売上構成比は非常に大きいため、こちらの収益率がわずかでも向上すれば、全体として大きな利益につながると考えています。このため、スライド下に記載している常駐警備の利益率向上、すなわち「値増し」と「構造改革」に力を入れていく方針です。

このうち、「値増し」は世に言う「値上げ」を指しています。具体的には、物件費・人件費が非常に上昇している中で、少なくとも人件費の上昇分をお客さまにご負担いただけないかと考えています。この点についてはお客さまのご理解を得ながら、積極的に働きかけていきます。すでにある程度の成果は得られつつありますが、この状況は一過性ではなく、今後も継続すると予想されます。そのため、当社としても引き続き働きかけを継続していく方針です。

「構造改革」については、次期中期経営計画でも述べているとおり、これまで人だけで行っていた業務を機械やシステム、あるいはAIを活用した解析に置き換えることで、人と機械およびシステムを組み合わせ、収益率の向上を目指す取り組みを進めています。

中期的な基本方針と基本戦略

現在の基本方針と注力事項について、将来に向けた内容も併せてご説明します。当社は、中期経営計画を策定する際に、中期的な基本方針・基本戦略を定めています。ブランドコンセプトとして「Creative Security Partner」を掲げ、これを引き続き堅持していく方針です。

この方針を具体的なかたちで表現するため、当社の存在意義を、スライドの「全ての人々の想いをパートナーとなって実現します」と、創業の理念の1つである「会社に関係するすべての人々の幸福を追求する」で示しています。

「すべての人々」には、お客さまをはじめとして、会社さま、個人さま、そして当社と一緒に仕事を進めている会社さまや関係者の方々を含みます。さらに、当然ながら社員や株主さまも含めた、すべての人々の想いを1つにして実現していくことを基礎としています。

標語として掲げている「私たちは『Creative Security Partner』として、安全・安心・快適な社会基盤を提供します。」にさらに力を入れ、意識して取り組んでいきたいと考えています。

中期経営計画 想い 2030 ~連携して実現する~

中期経営計画「想い2030 ~連携して実現する~」を定め、そのキーワードとして「この街には、CSPがいる。」を掲げました。身近に当社が存在し、街全体を守っていくことを体現したいという想いを込めています。

スライド中央に記載している「安全・安心・快適な社会基盤を提供します」を基盤として、これをどのように実現していくかを、上段の3つで示しています。

左上の「ソリューションの提供」では、「梯(かけはし)」というセキュリティプラットフォームでワンストップでのビル管理を実現していきたいと考えています。また、「CSP Cloud Center(CCC)」を新たなソリューションビジネスの提供と位置づけ、他社さまにもご活用いただくことを推し進めます。

中央の「基盤事業の拡大」では、特に画像サービスの拡大と、ツールとしてのドローン活用を積極的に広めていく方針です。

右側の「基盤事業の変革」では、常駐警備を新たなスタイルで実施する「次世代の常駐警備」を掲げています。また、必要な時に出動する仕組みに注力し、人間が行うべきことに集中できるようにする「次世代の機械警備」を目指しています。

さらに、従来と同じ輸送警備方法では将来的に対応が難しいと考えられるため、少しかたちを変えたり、新しい要素を加えるといった「輸送警備の新しいモデルの創出」の取り組みを進めていきます。

この他にも、機器販売は販売後、売り切りで終了しがちですが、機器やシステムは一定期間で取り替えが必要になるため、お客さまとのつながりを継続し、ストックビジネス化を進める「機器販売や工事のストックビジネス化」を目指しています。

これらの取り組みを支える考え方として、スライド下段の「警備・サービスを支える技術」「警備・サービスを実現する人」「持続的な運営」の3つを重視しています。この3つの事柄で、ストックビジネスの基盤を築いていきたいと考えています。

左下の「警備・サービスを支える技術」では、「カスタムメイドシステム」を掲げています。具体的には、0から1を作り出す技術というよりも、既存の技術を組み合わせてより良いものを構築し、お客さまにお届けします。また、AIやIoTといったツールをしっかりと活用していく方針です。

「警備・サービスを実現する人」では、チャレンジを続けて未来を創造する人材の育成を目指しています。労働集約型の業種ではありますが、自ら考え、より良いものを作り出せる人財を育成していこうと考えています。ベースの処遇改善をはじめ、「自分はこういうことができる」「こういうふうになっていきたい」といった将来的なキャリアイメージを描けるようにしたいと考えています。

なお「持続的な運営」では、「効率化」を人員の削減ではなく、余剰となった時間でよりプラスの業務を行えるようにすることと定義しています。

これらの取り組みを通じて、プラスのイメージで物事を捉え、そうした環境を整えることで、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。

中期経営計画の進捗について

このようなベースで中期経営計画「想い2030」を定めていますが、この上半期で実現できたこととして、4点ご紹介します。

1点目は「高輪ゲートウェイシティ」のセキュリティプラットフォーム「梯」の導入、2点目は画像サービスの拡販、3点目はドローンの拡販、4点目はM&Aです。

セキュリティプラットフォーム梯

それぞれについてご説明します。1点目は、「梯」についてです。「高輪ゲートウェイシティ」の開業に関し、当社は警備全般を受託しており、「梯」というセキュリティプラットフォームを活用しています。

スライドの下部分が「梯」のイメージです。「梯」によって、エリア全体のセキュリティ情報を一元的に集約し、AIを活用してデータを解析することで、最適な提案や指示を自動で行います。警備員や管理者は、その情報に基づいて具体的なアクションを起こします。

これを用いることで、スライド右側に記載の「エリアマネージメントへの活用」が可能になります。複数街区、複数建物の情報を「梯」に集約して、エリアにある対象施設を一元管理します。

「高輪ゲートウェイシティ」は複数の建物があるエリアです。第1期開業は1棟のみですが、来年には4棟になる予定です。その場合、複数の建物を一元的に管理することが可能になります。このような新たな姿を着実に実現していくことが、現在取り組むべき目標です。

VACSシステム

2点目は、画像解析システムについてです。現在、京王電鉄さまの駅構内で、当社の商品である「VACSシステム」が試験導入されています。この試験導入を通じて、当社はノウハウをさらに深め、他の場所にも展開していきたいと考えています。

「VACSシステム」とは、お客さまの転倒などを画像で認識し、CSPが自動的に報告する仕組みです。スライド中央では、当社の警備に携わる部門と、事業者さま(ここでは京王電鉄さまを指します)の駅担当者が情報を共有し、対応に当たるという流れになっています。

右側の表には「検知可能な項目」と「パトロール員が対応する内容」を記載しています。当社は駅の方々と情報を共有し、上から4項目については、警備会社である当社のパトロール員が即座に出動します。一方、車椅子や白杖については、駅の方が対応することとなっています。また、混雑による危険が発生した場合には、当然当社も出動する仕組みになっています。

「VACSシステム」を導入することで、鉄道事業者さまの助けとなり、利用されるお客さまのサービス品質やセキュリティレベルの向上に貢献できると考えています。

ドローンの拡販

3点目は、ドローンの拡販です。当社は今期、「ドローン活用推進部」を立ち上げました。ドローンはさまざまな場面で活用されているため、それぞれのお客さまに適した活用方法を検討し、それを提案・提供することで拡販を進めています。

スライド左側の「高性能ドローン」は、官公庁さま向けに提供を進めています。左下の「カウンタードローンシステム」は、近年増加している意図しないドローンの飛来を防ぐ目的で使用されるものです。この製品は、官公庁さまやイベント会場、空港・原子力発電所などでのニーズがあります。

右側の「有線・無線ハイブリッドドローン」は、長時間飛行のために有線給電を活用するドローンです。この製品は、点検、防災、イベントなど、特定のニーズを持つお客さま向けとなっています。右下の「照明特化型ドローン」は、災害時や作業時などに非常に有効で、防災、点検、イベント向けとして活用されています。

中央の「移動式多機能車両」では「CSP-Drone Base Car」というモデルをご用意しています。ドローンを積んでさまざまな場所に移動できる仕様となっており、災害やイベントなど、幅広い場面で活用可能です。

これらをCSP独自のブランドとして展開し、お客さまへの提供を開始しました。今後さらに力を入れて、この分野の拡充を図っていきたいと考えています。

新たに加わった連結子会社の紹介

M&A案件についてです。本年4月に、日本連合警備をグループに加えました。同社の本社は山梨県甲府市に所在しています。機械警備のボリュームが非常に大きく、先ほどもご説明したとおり、機械警備の売上高が増えた主な要因は、同社がグループに加わったことによるものです。CSPグループとして、さらに営業拡販を進めていく考えです。

ここまでが上半期の取り組みになります。

中期経営計画の施策について

続いて、今後の取り組みについてお話しします。「高輪ゲートウェイシティ」に関する取り組み、鉄道向けソリューション、そしてM&Aの3点についてご説明します。

セキュリティプラットフォーム梯・エリアマネジメントの水平展開

まず、「高輪ゲートウェイシティ」についてです。スライド中央の年表に示しているとおり、2025年10月までに「JWマリオット・ホテル東京」が開業し、来春にはグランドオープンを迎える予定です。

ここに、複数の建物やエリア全体をマネジメントする上で有効に機能するセキュリティプラットフォーム「梯」を導入します。これにより、右下に記載の「梯」×エリアマネジメントが本格的に実装される予定です。今後、当社の商材ノウハウを他の同様の場所に広げていくための準備を進めています。

鉄道向けソリューションの拡販

2点目は、鉄道向けソリューションの拡販についてです。鉄道関係の仕事として、スライド中央に記載している鉄道事業者さまのコア事業、つまり列車運行に関わる部分や構内設備の維持、鉄道関連の営業といった鉄道事業者さまの仕事が該当します。それ以外の領域に関しては当社でもお受けできる仕事ということで、すでに多くの案件を担当しています。これをさらに提供し、鉄道事業者さまに貢献していくことに力を入れていきたいと考えています。

当社は、JR東日本さまの仕事を多くいただいており、スライドに記載しているような仕事をお受けする中で、ノウハウ、技術、知識を蓄積しています。これらを他の鉄道事業者さまにも積極的に広めていこうとしています。また、鉄道技術展などでの展示も予定しており、鉄道事業者さまに向けて積極的にアピールしていく方針です。

M&Aによる事業拡大

3点目は、M&Aによる事業拡大についてです。スライドの表は、これまでの実績を振り返る内容となっています。一番下は2014年の長野県のHOPEグループ取得、その後、神奈川県の特別警備保障、カメラなどの機器を扱うシーティディーネットワークス、宮城県仙台市のCSP東北、栃木県の東亜警備保障、関西の阪急阪神ハイセキュリティサービス、そして最後に山梨県の日本連合警備を取得しています。

このような会社を1から2年に1回のペースでM&Aにより取得し、事業拡大を積極的に行っています。今後もこうした親和性の高い会社、警備会社はもちろんのこと、ビルメンテナンス会社や機械・システム会社など、良いお話があれば積極的にM&Aを進めていく考えです。

中期経営計画の来期以降について

当社では、将来に向けて新商品を開発しています。本日は、警備ロボット、次期「エマージェ」、スマートキーシステムの3点についてご紹介します。

警備ロボットの活用

1点目は、警備ロボットについてです。当社では、警備ロボットを自前で整備しようという方針のもと、スライドの「C-SParX」というロボットを開発しています。

左側には既存機能として、自律走行、映像監視・録画、AI解析などのベーシックな機能が装備されていると記載しています。右側にはさらなる機能向上として、AIを活用した検知機能の強化や、生成AIを活用した異常察知の精度向上を図る計画を記載しています。また、お客さまへの案内や情報発信の機能を適宜追加する予定です。さらに、運用性能の強化として、エレベーターとの連携や自動充電機能の向上を図り、警備やサービス分野でより活用できるようにしていきます。

モバイル型非常通報システム「エマージェ」

2点目は、モバイル型非常通報システム「エマージェ」です。スライド右下には現行の「エマージェ」を記載しています。異常事態が発生した場合に黄色いボタンを押すことで、当社の指令員と通話ができます。指令員が状況を確認し、異常であると判断した場合には、警備員を現場に派遣したり、警察へ通報するといった対応を行います。

現在の機能は、表に記載している「非常モード」と「緊急モード」です。このうち「非常モード」は、先ほど述べたように、緊急時にすぐ通報し、当社の指令員が通話を通じて警備員や警察を手配する仕組みとなっています。「緊急モード」は、体調不良など緊急時に使用するもので、状況を確認しながら、必要に応じて警備員の手配や関係者への連絡を行います。

これに新たな機能を加えることで、さまざまな用途で利用できるようになると考えています。サービスとして活用することも想定しており、スライドに記載している「現着連絡等に使用」に関連した内容となります。当社は、新幹線や列車で警備員が業務に従事している際、どこにいて何をしているかを自然に確認できる機能なども検討しています。

このように、多様な利用シーンを想定し、新機能の追加を進めています。これらの機能は現在開発中であり、来期には新たなかたちで提供できるよう準備を進めています。

スマートキーシステム

3点目は、スマートキーシステムについてです。当社警備会社もそうですが、お客さまにおいても、物理的な鍵や錠を使用して1つ1つ開け閉めすることは、鍵の管理に手間がかかり、貸し出しを行う場合にも管理が非常に大変です。また、誰に鍵を貸したのかを管理することも難しいという課題があります。

そのため、世の中ではすでにスマートキーのような製品が登場しています。当社も、さまざまなお客さまのニーズに応じてカスタマイズしたかたちで、「こういうニーズがある」「こういうことが必要だ」という要素を付加したスマートキーをお客さまに提供していこうと考えています。

すでにお客さまのニーズを把握し、それに対応したカスタマイズの研究も進めていますので、近い将来には、このスマートキーをお客さまに提供できると考えています。

中期経営計画>>「Creative2025」から「想い2030」へ

このような状況を踏まえ、これからも努力を重ねていきたいと考えています。中期経営計画については、スライドの表の下にある「Creative2025」から「想い2030」にかけて、新たなかたちや考え方を取り入れ、さらに取り組みを進めていく方針です。目標として、2030年2月期に売上高900億円、営業利益率6.0パーセントを掲げています。

株主還元

最後に、株主さまへの還元についてです。配当方針として、経営基盤の一層の強化、今後の事業展開のために必要な内部留保の確保、そして株主のみなさまへの業績に応じた利益還元を図ることを掲げています。特に安定した配当を継続的に行うことを基本方針としています。

2026年2月期の中間配当については、30円を実施しました。期末配当についても30円を予定しており、年間では60円の配当となる見込みです。

以上で決算説明および資料のご説明を終了します。

質疑応答:大阪・関西万博臨時警備の特需剥落の影響について

司会者:「常駐警備の利益率について、上期の実績はいかがでしたでしょうか? また、下期は大阪・関西万博の臨時警備がなくなることによって利益率が下がるのではないかと懸念していますが、どのような見通しでしょうか?」というご質問です。

市川:今回は、常駐警備の中に大阪・関西万博の臨時警備がありました。「大阪・関西万博はいわゆる特需的なものであるため、上期はその部分によって利益率が高くなっているのではないか?」ということを想定されたご質問だと思います。

常駐警備の全体売上からすると、大阪・関西万博の臨時警備は全体を大きく揺るがすようなボリューム感ではありませんので、そこまで利益率に大きく影響してくるというものではないと考えています。そのため、下半期は大阪・関西万博の臨時警備の部分がなくなるものの、常駐警備の利益率を大きく左右するほどの要素ではないと考えています。

質疑応答:2026年2月期の大型案件の反動をカバーする対応策と見込み案件について

司会者:2026年2月期から2027年2月期にかけての売上についてのご質問です。「2026年2月期は、大阪・関西万博の臨時警備や『高輪ゲートウェイシティ』の機器工事といった大型案件がありますが、2027年2月期はこれらの反動をカバーできるような案件があるのでしょうか? また、連結全体で増収を狙えるのでしょうか?」というご質問です。

市川:まず、具体的な事柄として、大阪・関西万博の常駐臨時警備については先ほどの質問の回答でお話ししたとおりです。常駐警備の警備料金については、お客さまとの間で値上げ交渉を確実に行っていきます。加えて、常駐警備の構造改革にもきちんと着手することを対応策として考えています。

機器販売の部分において大型案件があるのかについては、具体的な個別名はお話しできませんが、いくつか案件として見えているものがありますので、一定の収益は上がるだろうと考えています。トータルとして、来期もきちんと収益を上げていけるだろうと考えています。

質疑応答:株主還元の考え方について

司会者:「株主還元についての考え方を教えてください。また、PBRやROEの水準も決して高くなく、現預金が豊富にありますが、これらに対しての対策を教えてください」というご質問です。

市川:「現預金が多いのではないか?」というご指摘は、株主さまからもいただいています。ただし、投資キャッシュフローの数字を見ていただければおわかりになると思いますが、当社ではバランスを見ながら、現預金の使い方を考えて進めていこうと取り組んでいるところです。

具体的には、事業への投資やM&Aに使用しており、これらを一定のレベルでしっかり行っていこうという方針で取り組んでいます。一度に成果が出ないため、株主のみなさまからそのようなご指摘があることは承知しています。

また、株式の配当については、過去から見ていくと着実に上げてきていると考えています。今後も、私どもが企業価値を向上させ持続的に発展していくことで、株式の配当も徐々に安定的に増やしていきたいと考えており、基本スタンスとしています。

質疑応答:警備マーケットにおける課題や成長ドライバーについて

司会者:「警備需要の増加見込み、競争環境の変化、優位性等についての課題や、今後の成長ドライバーとなる要素があれば教えてください」というご質問です。

市川:警備事業のマーケットはかなり成熟していると思っています。しかしながら、これまであまり取り組んでいないようなカテゴリに着目し、挑戦しようと考えています。

具体的には、特に省人化や無人化といった新しいかたちの店舗へ、当社の協業パートナーなどと一緒に、機械、システム、そして人を組み合わせたサービスを提供していきたいと思っており、すでに取り組みを始めています。そのようなところに力を入れていきたいと考えています。

また、競争という点で言いますと、機械警備を行っている他の会社とは競争の関係にあると認識しています。当社と同業他社では何が違うのか、世の中でいう差別化的なものも含めて意識しながら事業展開していきたいと考えています。具体的には、価格を意識しながら勝負していけたらいいと思っています。課題としては、人手不足と人件費の増加が挙げられます。

質疑応答:JR東日本グループ向け売上構成比の変化について

司会者:「今後、民営鉄道などとの取引が拡大するに従い、売上全体に占めるJR東日本グループ向け売上構成比は下がるのでしょうか? また、現状のJR東日本の出資比率について、考えを教えてください」というご質問です。

市川:JR東日本との関係で変化があるのかといった事柄については、現時点でお伝えできるものはありません。売上構成比等がどうなるのかについては、JR東日本との仕事も、先ほどお示ししたものをすべてお受けできている状況ではなく、すべてのエリアということでもありません。

JR東日本に向けても営業活動をしていきますし、他の民営鉄道、会社、鉄道事業者に向けても積極的な営業活動を行っていきます。比率をどうするかという意識よりも、それぞれの仕事を増やしていこうという考え方です。比率は、「結果としてこのような比率になった」ということになると思っています。

質疑応答:M&Aによる収益率について

司会者:「個別案件にもよるとは思いますが、M&Aの当初は利益率を下げることが多いと思います。その場合、収益性を上げるのにどの程度の年数がかかるものでしょうか? また、M&A案件はどの程度を見込んでいるのでしょうか? そのような需要があるのでしょうか?」というご質問です。 

市川:当然のことながら、ある一定のレベル以上でないとM&Aは厳しいと判断しています。ただし、現在のグループ全体の利益率よりも少し下がるようなことはあり得ます。この場合は、数年のうちに改善し、グループ全体の利益率に追いつくことを目論みながら事業展開しています。

当社は上場企業のため、グループ会社はある一定レベルの事業を展開していく必要があります。そのような意味でのコストや手間はかかりますので、どうしても利益率が一時的に下がります。ただし、警備会社でいえば、そもそもある一定のお客さまがついていますので、そのレベルをきちんと維持し拡大させていけば、グループ全体の利益率に追いつくと考えています。願わくば数年のうちに、その数字に達することが望ましいと考えています。

質疑応答:配当について

司会者:「配当がここ3年据え置きになっていますが、増配の目安はありますか?」というご質問です。

市川:先ほどもご説明したとおり、配当については安定的に増やしていきたいと考えています。過去から現在まで着実に増やしてきていますので、そのスタンスを堅持していきます。

質疑応答:配当性向やDOE導入の可能性について

司会者:「配当性向やDOEの導入の可能性はありますか?」というご質問です。

市川:配当性向という考え方だけではなく、DOEというような考え方もあることは承知しています。当社にとってどのようなかたちが良いのかについては、きちんと勉強した上で、お知らせできるような段階がくれば発表したいと考えています。

当社のようなインフラ企業、すなわち持続的に着々と成長していくような企業は、配当性向の指標だけで良いのかという点があります。当社にふさわしい指標が確立できましたらお知らせし、それに基づいて取り組んでいければと思っています。

質疑応答:在任中に成し遂げたいことについて

司会者:「社長について、大変実直で堅実な印象を受けました。在任中に『これだけは成し遂げたい』ということがあれば教えてください」というご質問です。

市川:過分なお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。今回の中期経営計画「想い2030」は、私の在任中をイメージして策定しました。ですので、私の想いは、その中にすべて盛り込んでいます。

「想い2030」に掲げたことを確実に実現することが、私の強い想いです。掲げたことを一気に行うのは非常に難しいため、きちんと段取りを組んで実現していきたいと思っています。

具体的な事柄については「想い2030」に掲げていますので、ぜひそちらをご覧ください。みなさまのご期待に応えられるように、また、企業価値がきちんと上がっていくように、「想い2030」の内容を一つひとつ実現していきたいと思っています。

配信元: ログミーファイナンス

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