―サナエ・エフェクトで浮かび上がる究極のAI相場、ロボティクス・自動運転で開花へ―
週末16日の東京株式市場は日経平均株価が続落となったが、引き続きマーケットを取りまく投資マネーの流動性に陰りはなく、旺盛な物色意欲が全体相場を支えた。高市早苗首相が衆院解散・総選挙に踏み切る方針を示したことで、自民党の議席数増加とともに高市政権の基盤強化が濃厚視されており、株式市場は高市トレードを錦の御旗に強力な上げ潮相場に突入している。目先スピード警戒感は承知のうえで、“選挙は買い”というアノマリーが強く意識され、目先の押し目は強気対処のムードが漂う。
●高市トレードの「1軍テーマ」AI・半導体
この日はこれまで、需給主導で急騰が相次いでいたレアアース関連の一角に利益確定売りの動きが顕在化するなど、やや荒れ模様となったものの、一方で半導体主力株に再び活気が甦っており、循環物色の流れがうまく機能している。投資家のセンチメントは依然として良好な状態が維持されているが、今のリスクオン相場を引き継ぐテーマとしてどこに目を向けるべきか。高市政権が重点投資対象とする17の戦略分野、その筆頭格でもある「AI・半導体」は外せない。足もとの半導体株復権の流れとも連鎖する「フィジカルAI関連」に改めて照準を合わせたい。
人工知能(AI)の進化はまさに日進月歩だが、人間の指示に従いテキストや画像、動画に至るまで自律的に作製するAI、いわゆる生成AIの登場からその進化スピードが一気に加速した印象が強い。人間とは比べ物にならない演算能力に加えハイレベルな推論を武器とするAIも、これまでその活躍テリトリーは2次元空間に限られていた。しかし、最近はその進化系として「フィジカルAI」というコンセプトが世界の耳目を集めている。ソフトウェア領域にとどまらず、今は3次元空間でAIが自律的に行動する存在へと発展を遂げる過渡期に入ったといってよい。今、刮目すべき新たな成長エリアは、人間と同じ空間で作業を行うAIの社会実装ということになる。
●SBGの買収とエヌビディア戦略的提携の意味
ソフトバンクグループ <9984> [東証P]は昨年10月上旬にスイスの重電大手ABBのロボット事業を約8000億円で買収することを発表、同時にAIとロボティクスを融合させた分野に経営資源を注いでいく方針を表明した。この時、孫正義会長兼社長は「次のフロンティアは『フィジカルAI』である」と明言し、人工超知能(ASI)とロボティクスを融合させ、画期的進化を実現していくことを強調した。ソフトバンクGにとって、産業用ロボットの世界市場シェアで上位3傑に食い込むABBからロボット事業を買収することは、フィジカルAI市場のフロントランナーとなるうえで重要な意味を持つ。
また、ファナック <6954> [東証P]も昨年12月、師走相場入り早々にマーケットの耳目を驚かせた。同社は米エヌビディア
●数十兆円規模の巨大市場が近未来に創出へ
フィジカルAIの成長はソフトウェアの進化だけでは実現できない。高性能モーターや駆動装置、カメラやセンサー、高密度のバッテリーといったハード分野の進化も不可欠となる。しかし、今はその舞台装置も徐々に整いつつある。今年は掛け声だけではなく、社会実装に向けた動きが現実化する「フィジカルAI元年」となる可能性が高い。AIと装置メーカー、更に自動車産業なども巻き込むことで市場規模も中期的に膨大化する可能性が高い。市場関係者からは「前提によって異なるが、数年内に総額ベースで30兆~40兆円規模に膨らんでも不思議はない」(中堅証券アナリスト)という声も聞かれる。
フィジカルAIというテーマは、株式市場ではまだ関連銘柄の線引きがはっきりとなされていない部分もあるが、分かりやすいのはロボット製造を手掛ける企業だ。もっとも、ヒューマノイドという範疇では日本はまだほとんどスタート地点に立っているに過ぎない。ただ、それを作る部材や装置系では世界的にサプライチェーンの要衝を担っているうえ、産業用ロボットで蓄積したノウハウも今後の大きなアドバンテージとなり得る。更にフィジカルAIのもう一つの柱とみられる自動運転分野では、完全自動運転の礎ともなる先進運転支援システム(ADAS)で世界トップクラスの実力を有している。したがって、自動運転車とAIの融合というステージにおいて、日本は技術的に必ずしも米国や中国の後塵を拝しているとはいえない。
今年がフィジカルAI元年であるとするならば、経済に先行する株式市場でも関連有望株を選別する動きが一段と強まり、年前半にも株価の居どころを変える銘柄が輩出される可能性は小さくない。今回のトップ特集では、フィジカルAIをテーマにホットマネーを波状的に引き寄せる公算が大きい有望5銘柄をエントリーした。
●フィジカルAI時代到来で株高変身期待の5銘柄
◎ヘッドウォータース <4011> [東証G]
ヘッドウォは法人を対象に分析・開発、保守・運用、システム改善に至るまでAIを活用したソリューションをワンストップで対応し、DX投資需要を捉えている。富士通 <6702> [東証P]とはビジネス専用AIアバターで連携するほか、米マイクロソフト
株価は昨年12月下旬の大陽線示現で底値離脱の号砲を鳴らし、年明けからは大勢2段上げの兆しをみせている。早晩75日移動平均線のブレークを果たし、更に戻り足を本格化させそうだ。昨年1月に6050円の昨年来高値をつけているが、時価はそこから半値近い水準に売り込まれているだけに中期的な戻り余地は大きい。3800円近辺までは累積売買代金も少なく、戻り売り圧力も限定的で近い将来に4000円大台が視界に入りそうだ。
◎FIG <4392> [東証P]
FIGはモバイルクリエイトと石井工作研究所が中心となって共同持ち株会社の形態で発足した企業で、移動体管理システムの開発・販売のほか、半導体関連装置及び車載関連装置、金型などの製造、更にGPSを活用したタクシー配車システムなど広範にわたる事業を手掛ける。ドローン関連の一角として注目されるほか、高度な技術力を武器に自動搬送ロボットなどのロボティクス分野にも傾注しており、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)など幅広いテリトリーで実力を発揮している。会社側もロボット開発及びロボットと装置の連携に経営戦略の重心を置いている。25年12月期業績は売上高が前の期比13~21%増の136億~145億円を見込み、営業利益は同2.2~3.0倍の8億~11億円を予想している。好業績を背景に年間配当は前の期実績の倍増となる10円を計画。26年12月期も引き合い活発な搬送ロボットなどの収益寄与で、営業利益は2ケタ成長が有力視される。
投資指標面では配当利回りが3.2%前後と高く、1.0倍近辺のPBRも手厚い株主還元姿勢を反映し漸次上昇傾向となりそうだ。時価300円絡みの水準は値ごろ感があるが、テクニカル的には日足一目均衡表の雲抜けから25日移動平均線を足場とした本格上放れのタイミングが意識されているようだ。昨年来高値343円奪回が第一目標となるが、早い時期にクリアし、中勢400円台で下値を切り上げる展開がイメージできる。
◎マクニカホールディングス <3132> [東証P]
マクニカHDは独立系のエレクトロニクス商社として国内首位級の実力を有する。売上高は23年3月期から1兆円大台に乗せている。半導体関連のほかサイバーセキュリティー分野などに注力するが、AI関連事業を重点分野とする経営戦略を推進中だ。そうしたなか昨年7月にはジーデップ・アドバンス <5885> [東証S]と両社共同企画のAIロボット開発支援パッケージ「ROBODEV(ロボデブ)」の提供をスタートさせている。これはフィジカルAI開発向けのエヌビディア・プラットフォームなどのセットアップを容易にし、ロボティクス分野におけるAI開発の加速及び市場投入までの時間短縮に貢献する。また、フィジカルAI分野では、その普及過程で軽量かつ柔軟なペロブスカイト太陽電池の存在もクローズアップされる可能性があるが、同社は東京ガス <9531> [東証P]と協働で同電池の導入実証への取り組みを発表するなど、実績と知見を積み重ねている。
業績面では25年3月期に営業利益がいったん落ち込んだが、データセンター向けAIサーバー特需を背景に切り返し、26年3月期は前期比6%増の420億円と成長路線に復帰する見通し。株価は昨年秋口以降、25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を形成中で、24年2月につけた上場来高値2963円60銭(修正後株価)の更新から、中勢3000円台を地相場とする強調展開が想定される。
◎ハーモニック・ドライブ・システムズ <6324> [東証S]
ハーモニックは精密減速機メーカーで高技術力に定評があり、モーターやドライバー、センサー、コントローラーなどの各種駆動装置を組み合わせたメカトロニクス製品の製造・販売も手掛ける。社名でもあるハーモニックドライブは自動車・半導体業界向けなどを中心に製造工程を担う産業用ロボットの関節部分に使われており、同社はグローバルベースで高い商品競争力を誇る。また、そうした技術の粋を集め、センサーを内蔵した小型減速機など人型ロボットへの展開に注力している。人型ロボットでポイントとなるのは指関節部分で、同社は小型の駆動機器(アクチュエーター)などでニーズに対応している。また、AI搭載ロボットではセンサーやコントローラーの機能とソフトウェアをうまくかみ合わせることが肝要であり、これは同社の土俵といえる。業績も26年3月期営業利益は15億円予想(前期実績は600万円)と改善を見込んでいるが、27年3月期は回復色が更に強まりそうだ。
株価は昨年2月に5350円の昨年来高値をつけた後、大幅な調整を強いられたが、業績回復への道筋が見えたことで、昨年12月を境に戻り局面に移行、日足一目均衡表も既に雲の上に浮上しており視界は良好だ。時価は4000円近辺で売り物をこなしているが、ここは上昇第2波に向けた踊り場と判断され、強気に対処したい。早晩ボックス圏上限の突破から中勢5000円台復帰を目指す動きが期待される。
◎ヴィッツ <4440> [東証S]
ヴィッツは自動車関連の組み込みソフトで優位性を発揮するシステム会社でソフトウェア開発のほか、コンサルティング業務も行っている。AIを介したサイバー空間とフィジカル空間の融合を視野に、ロボットや自動運転分野の開発におけるシミュレーション技術やセキュリティー技術などを活躍領域とし、トヨタグループなど自動車メーカーを中心に需要を取り込んでいる。ソフトウェアが車両機能を制御しアップグレードを可能としたSDV開発に力を注いでおり、これはフィジカルAIのコンセプトに合流する。業績面でも躍進が続く。25年8月期は売上高が前の期比4割増、営業利益は倍増という目覚ましい成長をみせた。26年8月期も15%増収の56億円、営業3%増益の5億8000万円予想といずれも過去最高更新が続く見通しだが、一段の上振れ余地がある。なお、中期経営計画は従来予想を増額し、27年8月期に売上高60億円、営業利益6億6000万円を見込む。
今月9日に発表した第1四半期(25年9~11月)決算で、営業利益が前年同期比倍増の2億3100万円と発表したことを受け急速人気化、ストップ高を交え株価水準を一気に切り上げた。その後に微調整を入れているが、1500円近辺は絶好の仕込み場といえそうだ。時価は23年7月以来の高値圏に位置しているが、2020年には4510円の上場来高値をつけるなど天井は高い。PERに割高感はなく、中勢2000円台活躍が有望。
株探ニュース
関連銘柄
| 銘柄 | 株価 | 前日比 |
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3132
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2,590.0
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(+1.56%)
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4011
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(01/16)
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(+1.22%)
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4392
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321.0
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(+2.22%)
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4440
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1,465.0
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5885
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3,120.0
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6324
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3,945.0
(01/16)
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(+1.41%)
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6506
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5,337.0
(01/16)
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(+2.08%)
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6702
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4,572.0
(01/16)
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-64.0
(-1.38%)
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6954
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6,644.0
(01/16)
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-106.0
(-1.57%)
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9531
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6,544.0
(01/16)
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+30.0
(+0.46%)
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9984
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4,010.0
(01/16)
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-41.0
(-1.01%)
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